■概況
月曜の急落をその後の上げでは埋めきれなかったが、火曜日以降は粘り強い買いの意欲も感じられた。それでもS&P500とナスダックは2週、ダウは4週続落し5月の月初まで(ダウは昨年10月)に更新した史上最高値に比べ4%程度下の水準だ。「年初来の急騰のスピード調整も必要」と私は楽観的に見ている。この水準で少し揉んで日柄をこなしてくれればそれでいい。というのも経済と株価が良好だから米国は中国に貿易で“戦争”を仕掛けられる。つまり米国の挑発的な姿勢は自国の経済ファンダメへの自信の現れ、と捉える見方もある。さらに言えば「中国に立ち向かうことは、国家安全保障と米国の経済権益を保護するための価値ある戦いとの、超党派的な感情がある」(6番【コラム】)

■今週のカバー【貿易摩擦】
1番のこの記事では米中貿易摩擦がもたらすリスクを5つほど列挙。その際にマイナスの影響を受ける銘柄を紹介している。ネタ元はバークレイズの株式ストラテジストで、アップル(AAPL)、ネットワーク機器大手シスコシステムズ(CSCO)、半導体大手クアルコム(QCOM)、複合企業ハネウェル・インターナショナル(HON)、産業機器大手イートン(ETN)、さらにはアパレル大手VF(VFC)とスポーツ用品大手ナイキ(NKE)がリストの上位。

■貿易摩擦を乗り切るバリュー系5銘柄
2番の【有望銘柄】では「貿易摩擦を乗り切る」5銘柄を紹介。さて今回の貿易戦争で協議が空中分解した場合には現在17倍程度のS&P500のPERが約18倍となる程度だという。つまりは大した影響はない。その上でバリュー銘柄があまりにも割安に放置されているのでこれを拾ったらどうかという提案だ。

候補銘柄は①金融大手チャールズ・シュワブ(SCHW)、②コーチから社名を変えたハンドバッグメーカーのタペストリー(TPR)、③バイオ医薬品のリジェネロン・ファーマシューティカルズ(REGN)、④自動車部品メーカーのボルグワーナー(BWA)、⑤半導体製造装置メーカーのアプライド・マテリアルズ(AMAT)。確かにチャートでレンジ内の下限の銘柄だが食指が動くか?個人的にはバリューやグロースという分類はあまり意味がないと思っている。

■その他の個別銘柄
その他では3番【米国株式市場】後半では決算発表後に株価が急落したピンタレスト(PINS)。5番の【日本株式】では武田政和氏が運用するヘネシー・ジャパン・ファンドの組み入れ銘柄。7番の【ハイテク】ではゲームソフトのテイクツー・インテラクティブ(TTWO)。9番の【食品銘柄】では代替肉のビヨンド・ミート(BYND)と食肉加工大手のタイソン・フーズ(TSN)、最後の10番【経済スケジュール】では直近IPOしたライドシェア・サービス大手のウーバー・テクノロジーズ(UBER)とリフト(LYFT)。

■出戻り証券マンの独り言
夜の会合の多い週だった。1つ目は著名ストラテジスト、武者陵司さん主宰の義援金セミナーのあとの打ち上げ。武者さんを尊敬しその心意気に賛同した人の集まり。次がIFA(金融商品仲介業=独立証券マン)仲間との懇親会。働き盛りの人が多く真剣なまなざしが印象的。駆け出しの支店営業マン時代を思い出して私も身が引き締まる思い。3つ目はネット証券のIFA事業支援の若手メンバー。若い人と互いの夢を語りあうのは何とも楽しい。最後は米国留学時代の仲間との懇親会。多くは大企業で出世階段を昇りつめ、各々人生のウイニングランに思いを馳せていた。私は“証券マン復帰”を報告したが「へえーっ(興味なし?)。」と。

世代を超えたいろいろな方々と交流できたが、それでもやはり証券マンと将来の夢を語るのが一番だ。彼らには各自の夢を実現するために正々堂々と豊かになってもらいたい。経済的に自らが成功せずにどうしてこのビジネスでお客さんと共存共栄できるのか?心底そう思う。

さてここでの「正々堂々」とは?仕組みが複雑で高額の手数料商品の販売に奔走することではない。S&P500やナスダック指数のようにシンプルで説明が簡単なETFでお客さんの資産を着実に増やすこと。そしてその際に正当な対価を頂くことだ。そのためには報酬が顧客の預かり資産に連動する楽天証券の「管理口座コース」が有用だ。夢の実現はここから始まると信じている。ありがとうアメリカ株式。

『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信