■概況
ダウは6週、S&P500とナスダックは4週続落。まさに「セル・イン・メイ」的中だ。高値からの下落率はS&P500が6.6%で下落率の大きいナスダック100だと9.1%だ。ちなみに年初来上昇率はダウが6.4%、S&P500は9.8%、そしてナスダック100は12.6%だ。

これだけ下げるとこの後どこまで下がるのか気になる。昨年12月にS&P500が19.8%下落したのは記憶に新しい。それより前だと2011年4月~10月(-19.9%)でこのときは欧州債務危機や米国景気後退懸念。その後2015年5月~9月(-11.7%)では、米国の利上げ警戒感と中国景気減速懸念だ。さらに2015年11月~16年2月(-13.3%)の下げもこれらが主因。ちなみに逆イールド中の10年国債は一時2.145%と2017年9月以来の低水準、ただし最近では2016年7月に1.355%まで低下した。

■今週のカバー【シニア向け住宅】
シニア向け住宅事情を解説。気になった箇所を抜粋すると「営利目的の自立生活施設の家賃は平均で月3050ドル、介護付き住宅は平均4577ドル、認知症ケア施設は6301ドル」、「介護者の家族と、介護を必要とする人の比率は、2010年の7対1から2030年までに4対1に低下」、「継続的ケア・リタイアメント・コミュニティー(自立生活が可能なうちに入居し、必要に応じて介護・看護・医療などのサービスを受けながら共同生活を送る拠点施設。CCRC)の施設の頭金は平均33万ドルで、高級な施設では最大200万ドル、これに毎月の維持費が加わる」。なお対象銘柄への言及はなかった。

■7番【コラム】大統領選と貿易摩擦、消費者信頼感指数と10年国債利回りの比較
トランプ大統領の再選戦略と米中貿易摩擦との関係に関し、ゴールドマンによる見立てでは「重要なのは2020年第2四半期前後の経済、労働市場、株式市場の動向。株式市場がトランプ大統領の“通信簿”と言われているので、最大の効果を狙うべく中国との合意を年末まで引き延ばしたいと望んでいる」。もしそうなら回復が早すぎると再選戦略が狂うのか。

10年債(2.15%)と3カ月債(2.35%)は逆イールド状態だが、それとは別の物差しを使えば違う景色が見えるという。「1967年以降について、消費者信頼感と10年債利回りを比較するモデルが有効で、両者の乖離(かいり)が上位4分の1に属する期間は、S&P500のその後6カ月の平均上昇率は14.34%で、下落確率は20.36%。乖離が下位4分1に属する期間において、同期間の平均上昇率は6.76%で下落確率は38.06%」そして「現在の水準は、1967年移行のすべての6カ月間の水準の上位7%以内にあるので株式市場の今後の高いリターンを示唆」とある。

■その他の個別銘柄
2番が半導体大手ブロードコム(AVGO)、3番では植物由来の代替肉メーカー、ビヨンド・ミート(BYND)、5番の後半はゼネラル・モーターズ(GM)、フォード(F)等の自動車株。8番の半導体セクターではiシェアーズPHLXセミコンダクターETF(SOXX)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)、インテル(INTC)、エヌビディア(NVDA)、9番のペット関連銘柄では、ペットフードを扱うJMスマッカー(SJM)、医療関連のアイデックス・ラボラトリーズ(IDXX)とデクラ・ファーマシューティカルズ(DPH.英国)、上場投資信託(ETF)のペットケア(PAWZ)、ペット医療保険を販売のトゥルーパニオン(TRUP)。

■出戻り証券マンの独り言
証券マン復帰後に若い世代との交流が増え刺激を貰っている。先週の懇親会でもそうだが、我々世代と異なり時間外は額にしわを刻むような小難しい話しは無しでもっと楽しく盛り上がっていた。

参加した女性陣に感心するのは、みんなしたたかなリスクテーカーで部署の移動や海外赴任という“人事異動”は専ら自分で”発令“しているところ。そしてもっと感心したのはみんなの飲みっぷり!どんぶり鉢の日本酒を大きめのお猪口でぐいぐい吞っていたが、そのどんぶり鉢をこちらに突き出された時は一瞬固まった!一方で男性陣は控えめに受け手に回る場面が多い。みんな背負うものが大きいのか、言葉少なめに女性陣の“野望”に頷きほとばしる熱量に煽られていた。今時の若者の関心事を垣間見、女性陣の旺盛なリスク志向と優れた戦略性に触れたことが収穫だ。

ところで連日報道される銀行や証券の暗いニュースに長期の株価チャートを重ねると金融マンの苦境が感じられる。この閉塞感を打開するには、彼女らを見習って“正社員だから実質終身雇用”という妄想や願望から脱却することではないか?特に証券マンは、“淘汰”、“最適資源配分”そして“効率性”がマーケットの大事な機能なのに、自分をその対象外に置くのは元々不自然だ。その意味で従来型の証券経営モデルはとっくに破たんしていると思う。さて、昨今注目の独立系証券マン(IFA)は顧客やマーケットと共に生きることを覚悟したリスクテーカーだ。そんな彼らがマーケットの荒波の中でも逞しく生き抜けるように一緒になって頑張りたい。ありがとうアメリカ株式。

『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信