*トランプ政権が、年金基金による中国株保有の制限や米国の証券取引所からの中国株式の上場廃止を含む、中国への投資制限を検討しているとブルームバーグが報じたため、米国株式市場は金曜日に下落した。これは、紛争に資本移動を加えることで米中貿易戦争をエスカレートさせることになる。

*実際に議論されているのは、中国以外の外国企業や米国企業が直面している開示要件を、中国企業が免除されている抜け道(オバマ政権時代に米証券取引委員会(SEC)によって認められたといわれる)をふさぐこと。

*中国は1兆3000億ドルの対外純資産を保有しており、海外の資本を必要としていないとされるが、それでも米国上場の中国企業の株価は下落。iシェアーズMSCIチャイナETF(MCHI)は2.2%下落、アリババ・グループ・ホールディング(阿里巴巴集団、BABA)は5.2%下落。上海と深センで取引されている銘柄に追随するXトラッカーズ・ハーベストCSI 300チャイナAシェアETF(ASHR)でさえ1.3%下落、買いの好機か。

*注目を浴びた新規株式公開(IPO)は不振が続いている。自宅で行えるフィットネス事業を展開するペロトン・インタラクティブ(PTON)の株価は下落、S&P500指数は、1年前や2018年1月からそれほど上昇しておらず、過去12カ月の上昇率は1.64%で、債券のETFであるiシェアーズ20年超トレジャリー・ボンドETF(TLT)の21.39%上昇に後れ。ただし株式市場が、赤字のユニコーン企業の投資家に儲かる出口を提供することを合理的に渋るのであれば、それはそれで良い兆候だ。

*政治面では、ニュースはトランプ大統領弾劾でもちきりだが、弾劾は実体経済やウォール街にいつも大きな影響がない。消費者信頼感は過去12カ月間高止まりしており、下院による弾劾調査も消費者心理にたいした影響を及ぼさない公算が大きい。

 

2019年9月30日号『バロンズ拾い読み』より
6. Up and Down Wall Street 株式市場をめぐるさまざまなノイズ【コラム】
高くなる壁も心配無用 増加する年金債務への対策