*2019年に注目されたIPOはいずれも打ちのめされているが、センチメント主導の株価下落は、長期的な成功を目指す銘柄に買いの好機をもたらすからだ。本誌が繰り返し述べてきたように、素晴らしい製品で顧客を喜ばせる企業に注目する投資家は見返りを受けている。2019年に上場した企業では職場向けメッセージアプリ「スラック」を手掛けるスラック・テクノロジーズ(WORK)だ(同社はニューヨーク証券取引所に直接上場したためIPOの基準は満たしていない)。

*スラックは基本的に、企業のオフィス内で使用される電子メールを置き換えるツールであるが、それだけではない。やりとりされたメッセージと文書を蓄積し、簡単に共有できるようにする。スラックが企業のワークフローにいったん組み込まれると、それを置き換えることはほぼ不可能。同社の価格決定力の強さを示唆。

マイクロソフト(MSFT)の比較可能なソフトウエア製品であるMicrosoft Teamsとの競合が激化していることが投資家の懸念だが、アナリストの調査によると、スラックの使用率はTeamsを、両方のソフトウエアが共存している場合でさえ、大幅に上回っている。

*上場後初めての四半期決算は予想を上回る内容だった。第2四半期(5-7月期)の前年同期比増収率は58%で、今では720社の顧客が年間10万ドル以上を支払っている。決算発表を受け、一部の投資家がより大幅な予想超過を見込んでいたために株価は下落した。しかし強気のアナリストは「同社の事業は今後数年にわたり50~60%のペースで持続的に成長する可能性がある」「妥当な株価売上高倍率を設定した場合、5年後の株価は現在の3倍を超えるだろう」

 

2019年9月30日号『バロンズ拾い読み』より
7. A Buying Opportunity in the IPO Carnage 陰るIPO市場の中の光明 【ハイテク】
業務用メッセージアプリのスラックに注目、オフィスの生産性向上に不可欠な存在に