■ ESG重視を批判した候補が当選

*投資スクリーニングにおいて環境、社会、ガバナンスの基準を適用するESG投資の普及が進む。

CalPERSは、190万人の会員で3510億ドルを運用。今回の理事会でジェイソン・ペレス氏が、ESG重視の理事長のプリヤ・マサー氏を抑えて当選。

CalPERSの会計年度末の630日までの5年間と10年間で、基金のリターンはそれぞれ8.1%と5.6%と、同期間のS&P500指数の13.4%と10.2%を下回った。ただし1231日までの5年間ではCalPERSのリターンはベンチマークをわずかに上回ったが、10年間では下回った。

*ペレス氏は自らの当選の理由「ESGが何の恩恵ももたらしていないという会員間に広がりつつある考え」、「CalPERSの社会的投資を重視する姿勢と、一方でのリターンの低さが注目」

ESG投資の支持派は、この手法が従来の方法と同等またはそれを上回るリターンを実現できることを示す研究を論拠。一方反対派は、不十分なセクター分散などによってリターンが悪化する可能性を示す別の研究を取り上げる。

ESG投資をめぐるもう一つの基本的な問題は、基準となる法的定義がない。このため、環境的または社会的な利益やガバナンスへの重点の置き方は投資家によってまちまち。

*そのような中でも、ESG関連の株主提案は出され続けている。2018年の株主総会シーズンに米国企業に提出された株主提案の大半が、環境や社会問題をめぐる懸念に関連。

ESG投資の人気の高さを考えると、ペレス氏の当選はその普及が進む中での例外的な出来事かもしれない。しかし、ESG投資が長期的な株主利益にとって有効である証拠が示されなければ、それは地震の最初の揺れとなる可能性も。 

2018115日号『バロンズ拾い読み』より
6. ESG Investing Suffers a Setback in California カリフォルニアで逆風 【ESG投資】
米国最大の年金基金でESG投資を主導した理事長の解任劇