■ クオリティー銘柄の出遅れ
*12月24日にS&P500指数が底を打って以来、クオリティー・ファクター銘柄(負債比率が低く、キャッシュフローが安定しており、利益の安定した企業群)は嫌気されてきた。クオリティー銘柄は、市場が不確実な時に求められる。S&P500指数がほぼ弱気相場に近い状況から急反発した相場では、市場よりボラティリティの高い高ベータ株のパフォーマンスが良くて当然であろう。

■ 利上げの可能性
*FOMCでその流れが変わるはずではなかった。FRBがハト派姿勢に転換したにもかかわらず、FOMC以来、クオリティー銘柄が上昇している。上場投資信託(ETF)のインベスコS&P500クオリティーETF(SPHQ)は、1月30日~2月1日の期間に1.7%上昇、S&P500指数の1.3%上昇を上回った。
*クオリティー銘柄は金利上昇局面で上昇する。忍耐強く待ってから再度利上げするとのFRBの発言は、リスクの高い企業の方に有利。しかし、フェデラルファンド(FF)金利先物市場は、FRBの忍耐には限度があることを示唆。米国の堅調な景気を考えると、驚くことではない。

■ ボラティリティの高い市場ではクオリティー銘柄がアウトパフォーム
*クオリティー銘柄は、ボラティリティの高い時は、パフォーマンスが改善する。シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指数)は、12月のピークの37超から、今週、16.6に下落した。再度急騰してもおかしくはない。

 

2019年2月4日号『バロンズ拾い読み』より
6. Don’t Write Off Quality Stocksクオリティー銘柄の損切りはまだ早い【ファクター投資】
来る弱気相場に備えて保有し続けるべき