*職場向けメッセージアプリを提供するスラック・テクノロジーズ(WORK)は従来とは異なる手法で新規株式公開(IPO)を目論んでいる。今週、ニューヨーク証券取引所に直接上場(ダイレクト・リスティング)する見込み。

*スラックは汎用的なソフトウエアであり、多くの組織で電子メールに取って代わろうとしている。同社によると、1日当たりのアクティブユーザー数は1000万人で、150カ国の60万もの組織で利用されている。ユーザーはスラックを使って週当たり10億を超えるメッセージを送信し、平均的なユーザーのプラットフォーム利用時間は、就業日当たり90分を超える。有料顧客は9万5000社で、全てが法人顧客。成長は堅調だが鈍化しつつある。

*金融会社D.A.ダビッドソンのアナリスト、リシ・ジャルリア氏は5月にスラックのカバレッジを開始したが、プライベート市場での取引に関する新たなデータを反映して、同社の目標株価を27ドルから31ドルに引き上げた。スポティファイの初値に25%のプレミアムがついた例から見ると、スラックは上場初日に39ドルまで上昇する可能性があるとみる。同社の完全希薄化後の発行済株式数は約6億株。1株当たり31ドルとすると、同社の時価総額は186億ドルで、2020年度予想売上高の上限の約31倍。

*非常に割高に見えるが、他の新興テクノロジー関連企業(ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)の株価は今年度予想売上高の51倍、ソフトウエア企業アトラシアン(TEAM)、ID管理サービスのオクタ(OKTA)、データベース・プラットフォーム開発のモンゴDB(MDB)、ソフトウエア企業ペイジャーデューティー(PD)など)のバリュエーションも同程度。

*スラックの初値が30ドル台の後半となっても驚くことではない。だが、長期投資家であれば、この値段で手を出すべきではない。電子メールに取って代わるというのは大きなことであり、歓迎するべき機会であるが、それには時間がかかる。投資家はスラックの株に飛び付く前に、過熱した状況が落ち着くのを待つべき。

 

2019年6月17日号『バロンズ拾い読み』より
4. Slack Is Going Public as It Tries to Kill Email スラック【新規株式公開】
スラックが上場予定。スポティファイと同じダイレクト・リスティングの手法で