*米中間のハイテク覇権をめぐる戦いは収まりそうにない。米国は華為技術(ファーウェイ)などの中国企業の通信機器の使用禁止を検討。昨年は短期間だが中興通訊(ZTE、763.香港)への米国からの輸出を禁止。同社は重要部品が超多雨できなくなり株価が40%下落した。米国の通信ネットワーク製品メーカーのアカシア・コミュニケーションズ(ACIA)もこの措置の打撃で株価が35%下落。

*2017年にはシンガポールの受託製造サービス会社であるフレクトロニクス・インターナショナル(FLEX)や、ブロードコム(AVGO)クアルコム(QCOM)マイクロン・テクノロジー(MU)インテル(INTC)、半導体メーカーのコルボ(QRVO)の各社が、ファーウェイに対して9000万ドル以上の機器を販売していた。ファーウェイへの輸出禁止が実施されれば、これらの売上高が危機にさらされる可能性。

*米中間ハイテク冷戦から最も打撃を受ける銘柄:マイクロン・テクノロジー
米国最大のメモリー・メーカー。ファーウェイの供給業者の一社であり輸出禁止の対象となる。禁止くても中国による米国企業への依存度引き下げで苦境に立つ可能性。ゴールドマン・サックスのアナリストは同社の2019年の1株当たり利益(EPS)予想を14%引き下げて6.27ドル。予想株価収益率(PER)ベースでは既にS&P500で最も割安の銘柄の一つであるが、米中の争いで割安銘柄ですら高リスク投資に。

*有利な地位にある銘柄:ファーウェイの競合(シスコシステムズ(CSCO)ノキア(NOK)エリクソン(ERIC)シエナ(CIEN)ジュニパー・ネットワークス(JNPR)などの大手ネットワーク企業)
シスコシステムズは安全銘柄、米政権が米国の5Gネットワークからファーウェイを排除すれば勝者になるかも。同社は中国での売上高がわずか3%、中国からの報復措置の影響を受けにくい。

*中立的な銘柄:台湾積体電路製造(TSMC)
世界最大の半導体メーカー、2位メーカーの5倍の規模であり、ハイテク冷戦においては珍しい安全な地位(アナリスト「同社は米国と中国の両方にとって重要であり、いずれの国の掌中にもない」)にあるため、投資家にとっては魅力的な選択肢。

*中国の技術革新企業:BAT(バイドゥ(BIDU)アリババ・グループ・ホールディング(BABA)テンセント・ホールディングス(700.香港))にも注目。それぞれのPERは過去5年の水準を下回っている。BAT銘柄は、グローバルなハイテク業界に残るための中国、そして投資家の最大の希望の星かもしれない。

 

2019年2月25日号『バロンズ拾い読み』より
1. The Cold War in Tech Is Real ハイテクにおける米中冷戦が現実に 【ハイテク覇権】
投資家も無視できないテクノロジーにおける新たな冷戦