*デジタル決済の分野においてビザ(V)(加盟店5400万店、約1万5900社の金融機関が33億枚のカードを発行、昨年世界的なネットワークにおける決済額は合計11兆2000億ドル)、マスターカード(MA)ペイパル・ホールディングス(PYPL)(加盟店2200万店、ユーザーは2億7700万人)の3社を打倒するのはほぼ不可能とみられる。

*モフェットネイサンソンの決済業界担当アナリストは、フェイスブック(FB)アマゾン・ドット・コム(AMZN)アップル(AAPL)ネットフリックス(NFLX)、グーグル親会社のアルファベット(GOOGL)から成る「FAANG」にならい、上記の決済大手3社を「MVP」と呼ぶ。MVPの過去3年のパフォーマンスは154%で、FAANGの127%とS&P500指数の38%を上回る。

*決済企業は加盟店、消費者、金融機関をつなぐネットワーク効果の恩恵を受けている。このネットワークは規制、セキュリティー、不正防止の取り組みといった「モート(堀)」に守られ、ハイテク企業は関わりたがらない。

アメリカン・エキスプレス(AXP)にはデビット事業がなく、それが大衆向け市場で後れを取っている一因との指摘。モフェットネイサンソンの推定によれば、ビザとマスターカードは2018年、中国を除く世界のカード購入額でそれぞれ57%と30%のシェアを獲得したが、アメックスとディスカバー・ファイナンシャル・サービシズ(DFS)は8%と1%。

*ペイパルは、アマゾンとオンラインで競争しようとする小売業者にとっての武器商人。上位500社のインターネット小売企業のうち、ペイパルの「チェックアウト」ボタンを導入しているのは約80%。最大の競合であるアマゾンペイの7倍。

*ビザ、マスターカード、ペイパルの株価は、市場全体や自社株の過去平均と比べてプレミアムと。3社の現在の予想PERそれぞれ27倍、31倍、34倍に対し、過去5年の平均は25倍、26倍、28倍。S&P500指数の現在の予想PERは17倍。

*しかし決済企業は過去5年間の利益成長率が年率10%台後半に上ることだ。モフェットネイサンソン「株価パフォーマンスは、最終的には利益によって決まると考えている。MVP3社の利益は、毎年20%以上のペースで増加し得る。こうした水準での一貫した利益成長を、他のセクターが上回ることは極めて難しい」

 

2019年5月27日号『バロンズ拾い読み』より
1. The Power in Payments ビザ、マスターカード、ペイパルの力【決済関連企業】
ハイテク企業がクレジットカードから王座を奪えない理由