*米中間の貿易戦争、日本型のデフレ不況の広がり、国家支援のハッカーによる重要インフラまひ、信頼感低下、サイバー戦争…一部のストラテジスト、ファンドマネジャー、ファイナンシャルアドバイザーが、「サバイバル用投資商品」を検討し始めている。米国債、金、現金といった定番の避難先は以前のように機能しないかもしれない。
*最も懸念されるのは債務問題。米国の財政赤字は、このままのペースでいくと来年には1兆ドル。世界の債務残高は世界のGDP(国内総生産)の3倍と過去最高。欧州と米国の「日本化」―低成長と果てしなく続く低金利というパターンに陥る国の増加。米国の長期国債、金(SPDRゴールド・トラスト(GLD)など)が避難先か。
*中国に関連したハルマゲドン(世界の終わり)への対抗策は、金と米国債、そして日本円を買うことだ。円は、緊張が高まった際に避難先として機能するだけでなく、日銀の追加緩和余地が少ないため、主要な中央銀行が緩和政策を続ける中でも比較的よい結果を出すはず。一方でまず勝者とならなさそうなのはテクノロジー株。
*その他注目すべきハルマゲドン的シナリオは、銀行システムに対するサイバー攻撃で。ヘッジとして最適なのは金。サイバー攻撃があった場合に実際にリターンを上げることができるオプションはサイバーセキュリティ、技術コンサルタント、クラウド関連銘柄。ETFとしてEFTMGプライム・サイバー・セキュリティ(HACK)がある。
2019年8月26日号『バロンズ拾い読み』より
2. How to Prepare Your Portfolio for the Worst ポートフォリオの守り方 【投資戦略】
現実味を増す破局シナリオ
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