*昨年末に、3カ月間のパフォーマンスが最も良かったS&P500指数の10銘柄に投資していた場合、現時点で32%の上昇を得ることができた。対して、予想株価収益率(PER)が最低水準だった10銘柄の全体の上昇幅は12%だ。しかしモメンタム株だけに投資するのはリスクが高過ぎ、より安全なアプローチは、わずかに株価モメンタムがある割安な株を見つけること。問題を抱えてはいるものの改善の兆しを見せている企業に投資する。

マッケソン(MCK)は米国最大の医薬品卸売業者、北米の処方薬の3分の1を供給。5年前の同社のPERはS&P500指数のPERを上回っていたが、現在は10倍を割り込み、市場を40%下回っている。要因は
医療費の減額、とりわけ医薬品にかかるコストを削減する政策、アマゾン・ドット・コム(AMZN)の医薬品販売の可能性、鎮痛剤のオピオイドによる死亡をめぐる訴訟だが、懸念は払しょくされる見通しがある。

*通信大手のAT&T(T)は、業績が順調な携帯電話サービスおよび法人向け有線回線サービスに、低迷する衛星放送サービスとエンターテイメントを融合させている。5.7%の配当利回りは約10.5%のフリーキャッシュフロー利回りに支えられており、今後同社の債務が減少すると、この配当利回りの妙味は一層増すと考えられる。

*住宅建設大手のDRホートン(DHI)は、手頃な価格の住宅に特化した住宅ブランド、エクスプレス・ホームズを5年前に立ち上げ、現在では同社の住宅販売件数の30%以上を占めている。配当利回りは1.2%で、配当金の2倍の額を自社株買いに費やしている。

 

2019年9月9日号『バロンズ拾い読み』より
2. 3 Stocks for the Impatient Investor モメンタム株 【ファクター投資】
株価モメンタムを備えた割安な3銘柄に注目

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