*ロブ・アーノット氏は2002年にカリフォルニア州ニューポートビーチでリサーチ・アフィリエイツを創業。ファクターに基づいて指数を構築しており、時価総額以外の特徴に基づいて株式のウエートを判断。低迷する新興国市場への投資で大成功を収め、「スマートベータ」という言葉を広めた立役者。
Q:最近、リターン予想の分布図を更新した。多くの人にとって最大のサプライズは何か?
A:過去に最高のパフォーマンスを上げた資産クラスが将来的には成功する可能性が低く、過去に失望させられた資産クラスに機会がある。株式投資家は過去10年間で2桁のリターン、過去100年間で年平均9%のリターンが得られたから、今後も9~10%のリターンは至って合理的な期待だと考えているが、それは正しくない。
Q:S&P500指数の投資家はどうなるのか?
A:S&P500指数では、同種の株式に対する途方もない集中が起こっている。採用されている企業は、それぞれの技術的なニッチで世界支配を築き、何も問題は起こらないという期待の下で莫大(ばくだい)な賭けをしている。ハイテクバブルを見ると、2000年に時価総額が最大だった10社のうち5社が、過去19年間でマイナスのリターンを出している。10社の平均リターンはわずかにマイナスだ。その中でマイクロソフト(MSFT)だけが、同期間で年間1%ポイント、市場リターンを上回った。
Q:投資家はどうすればよいのか?
A:世界で最も割安な株式市場がロシアとトルコだ。確かに、プーチンやエルドアンという独裁者が外国株主の富を取り上げるリスクがあり、その要素はバリュエーションモデルには織り込まれない。そのシナリオを除けば、これらの市場は割安だ。
2019年8月26日号『バロンズ拾い読み』より
3. How Investors Can Brace for Lower Returns リターン低下に備える 【投資環境】
リサーチ・アフィリエイツ創業者ロブ・アーノット氏に聞く
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