*S&P500指数の第1四半期のパフォーマンスは13.07%の上昇となり、四半期の上昇率としては2009年9月以来の高さ。ナスダック総合指数は第1四半期に16.49%上昇して2012年第1四半期以来のパフォーマンス。

*株価上昇の背景には債券の利回り低下が。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げから路線変更したため、米10年国債利回りは第1四半期に28ベーシスポイント(bp)、過去2四半期では65bp低下。

*投資家は、3カ月財務省短期証券(TB)利回りが10年国債利回りを上回ると、景気後退の可能性を懸念して動揺。過去10回のリセション全てで緊縮財政がきっかけとなった。「財政が拡大されており、それが2016年から続いている」中での現在の逆イールドカーブ状態は、第二次世界大戦以降では極めて珍しい現象。

*10年国債利回りが昨年10月のピークの約3.25%から低下したことで、有配銘柄の魅力が非常に高まっている。1992年以降、10年債利回りが低下した局面では、ダウ・ジョーンズUSセレクト・ディビデンド・インデックスがS&P500指数をアウトパフォーム。上場投資信託(ETF)であるiシェアーズ・セレクト・ディビデンドETF(DVY)は同指数に連動。景気後退がない状況で、同ETFの3.26%の利回りは債券を優に上回っている。

*スティーブン・ムーア氏のFRB理事就任に関して、エコノミストは反対で意見が一致。ムーア氏は最近では、引き締め的過ぎるとしてFRBを批判しており、昨年12月にFRBが0.25%利上げした際には、パウエル議長の辞任を要求。それより前には、トランプ大統領によるFRB批判に同調していた。

 

2019年3月25日号『バロンズ拾い読み』より
5. Up and Down Wall Street 低金利が有配銘柄を押し上げる可能性【コラム】
有配銘柄が魅力的に スティーブン・ムーアFRB理事候補の持論