*有名配車サービス会社のリフト(LYFT)の株価が、先月の新規株式公開(IPO)から20%下落している一方、ビデオ会議サービスを手掛けるズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)の株価は、IPOから1週間強で公開価格から84%近く値上がり。

*同社は「フリーミアム(基本サービスは無料、追加的サービスに課金)」モデルを採用し、基本的なウェブ会議サービス(一定の制限あり)を無料で、より多くの機能が使える有料プランは月額14.99ドルから提供。直近の2019年1月期の売上高は118%増の3億3050万ドル、純利益は760万ドル。

*ズームの公開価格は36ドル。時価総額は100億ドル超と評価された。公開初日の4月18日の終値は62ドル。終値は公開価格比で72%上昇。26日の終値は66.22ドル。現在、ズームの時価総額は過去1年間の売上高の約60倍との評価、「鼻血が出そうな水準」。ファクトセットのデータによると、平均的なS&P500指数構成企業は、昨年の売上高のわずか3倍の水準で取引されている。

*ライバルは、マイクロソフト(MSFT)のスカイプ・フォー・ビジネス、アルファベット(GOOGL)のグーグル、ネットワーク機器大手のシスコシステムズ(CSCO)のウェベックスなど十分な資本を持つ大手企業。

*高バリュエーションIPOのリスクを指摘する研究:2001年から2018年までに実施されたIPOのうち、年間売上高が1億ドル以上で、取引初日の終値に基づく株価売上高倍率が30倍を超えた9件のパフォーマンスはいずれも、その後の3年間で市場平均を20%下回った。

 

2019年4月29日号『バロンズ拾い読み』より
6. The Zoom Video IPO Shows That Crazy Bubbles Still Exist 依然としてバブル 【IPO】
高過ぎるバリュエーションのリスク