*景気後退(リセッション)の到来は本当だろうか。トランプ大統領は2020年の大統領選挙での再選に向けて舵を切っており、大統領の1期目の任期後半に景気後退に陥ったことはあまりない。1968年にニクソン大統領が就任してから9人の大統領のうち、再選に向けた選挙期間中に景気後退に陥った例は2回:1980年のカーター大統領の任期中の景気後退(イラン革命による原油価格の高騰)、湾岸戦争による景気減速で1992年ブッシュ大統領(父)がクリントン氏に敗れた。
*大統領が再選を目指している時に景気後退に陥りにくいのは、景気後退を防ぐための手段を現職大統領が多く持っているからだ。トランプ大統領の場合、現時点で最も確実な手段は貿易戦争を終わらせることだ。「トランプ大統領による中国との貿易戦争が景気後退懸念を助長し、それが自己増強している」では株式投資を増やすタイミングなのか。貿易戦争に残る火種、香港の状況、株式市場上昇のパターンなどからそうでもないということになりそうだ。
2019年9月2日号『バロンズ拾い読み』より
3. The Trader 貿易戦争の懸念が落ち着いて上昇したが月間では下落【米国株式市場】
再選に向けて景気後退を回避したいトランプ大統領の戦略に賭けるか
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