ソフトバンクグループ(9984)の株式にはビジョン・ファンドの価値が含まれる。ソフトバンクグループの株価にとって、最も明確なカタリストはビジョン・ファンドの動向。運用資産額1030億ドルのベンチャーファンドで、ウーバー・テクノロジーズ(UBER)、ウィーワーク、スラック・テクノロジーズ(WORK)など多くの企業に投資。数十社のユニコーン企業(企業価値が10億ドルを超える未上場企業)に投資しており、これらの企業は今後数年で立て続けにIPOを行う可能性がある。

*ソフトバンクグループのサムオブザパーツ(SOTP)分析において特に重要なのは、同社が2016年に320億ドルで買収した英国の半導体設計大手アーム。モバイルマイクロプロセッサー設計業界で支配的な地位にあり、孫氏は同社をAI、センサー、次世代通信規格「5G」、自動運転における重要なプレーヤーとみなしている。

*同グループの取り組みが全て失敗する可能性はある。現在の状況がバブルではないかと疑う向きは、ビジョン・ファンドが20年前のソフトバンクと同様に投資先を拡大することを懸念。また、ソフトバンクグループとサウジアラビアの間の密接なつながりによって、孫氏とビジョン・ファンドは難しい立場に。特にジャーナリストのジャマル・カショギ氏の殺害事件を受けてその傾向は強まった。

*それでもソフトバンクグループに投資妙味があることは変わらない。ソフトバンクグループは大幅なディスカウントに自社株買いで対応しており、2月には55億ドルの自社株買いの実施を発表。孫氏は「人々は遅かれ早かれ、当社の真の価値に気付くだろう。バリュエーションはいずれ追い付いてくる」

 

2019年7月22日号『バロンズ拾い読み』より
1. The Biggest Investing Bet on Tech Is Cheap 割安なハイテク投資  【ソフトバンク】
ソフトバンクグループへの投資は未来の技術に対する最大の賭け