6月3日、米連邦取引委員会(FTA)と司法省が共同でGAFA(アップル(AAPL)アルファベット(GOOGL)アマゾン・ドット・コム(AMZN)フェイスブック(FB))の競争慣行の調査に乗り出すとの報道で4社の時価総額が合計で1300億ドル減少。だが、市場独占の定義や、消費者が被る損害の内容が不明瞭であることが疑問点。

*アップルCEOティム・クック氏「当社は市場を独占していない。当社はどの市場でも支配的なシェアに達していない」。同社のiPhone(アイフォーン)の米国における2018年の市場シェアは45%(イーマーケッター調べ)。ただし、同社はApp Store(アップストア)販売されるアプリに対して通常30%の手数料を課しており、反トラスト法の調査はこの点に注目する可能性があると複数のアナリストが指摘。

*グーグルは検索エンジン市場で主導的地位にあるものの、デジタル広告市場でフェイスブックやアマゾンとの競争激化に直面している。「広告市場全体でみればグーグルは独占企業ではない。それどころかフェイスブックとの競争が激しくなっている」世界のデジタル広告市場における2018年のシェアは、グーグルが42%、フェイスブックが20%(IDC調べ)。一方消費者による商品検索の起点となっているのは今やアマゾンであり、検索エンジンではない(ガートナー調べ)。

*アマゾンは米国のオンライン販売では強力なポジションを持つものの、米国の2018年の電子商取引売上高に占める同社の割合は37%、小売売上高全体に占める割合は3.5%(イーマーケッター推定)。

*フェイスブックは、有害コンテンツの撲滅とユーザーの個人データ保護に関する取り組みが不十分であると批判されているがこれは反トラスト法規制当局の所管ではない。

*投資家は規制リスクを懸念するよりも、各社のファンダメンタルズと株価に注目するとフェイスブックとアルファベットが最善の選択か。いずれも12カ月予想株価収益率(PER)は21倍と妥当な水準。デジタル広告への移行を背景に、増収率は今後数年にわたり2桁台を維持する見通し。一方、アップルとアマゾンの中核事業の成長は鈍化しつつある。アマゾンの2019年第1四半期のオンラインショッピング売上高の伸び率は12%、2017年末時点の20%超から低下。12カ月予想PERは56倍と高い。

 

2019年6月10日号『バロンズ拾い読み』より
3. Weighing the Antitrust Case Against GAFA 反トラスト法調査の影響【ハイテク】
GAFAを巡る投資家の懸念は行き過ぎ、企業分割の可能性は低い