*5月10日に上場した米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズ(UBER)の株価が新規公開(IPO)価格を一時回復した。上場直後から値下がりして一時は36ドル台まで下落したが、先週の水曜日に初めてIPO価格の45ドルを上回り、水曜日の終値はちょうど45ドルだった。

*5月の株式市場はこれまでのところ今年最悪で、さらに下落の懸念もあったことから同月のIPOはタイミングが悪かった。また、上場後に初めて発表された決算の内容は10億1000万ドルの赤字だったが、市場の予想を上回ったことや競争激化に対する懸念が和らいだことも株価反発につながったようだ。

*ブルームバーグによると、現在ウーバーをカバレッジ対象としているアナリストは27人で、21人が強気、6人が中立のレーティングとしている。目標株価の平均は54ドルで、現在の株価から9ドル前後高い水準。5兆ドル以上の規模とされるモバイル経済に直結する銘柄として推奨するアナリストもいるが、こうしたレポートの多くが引受証券会社から出されている点には注意が必要。

*ウーバーの株価売上高比率は5.5倍で、S&P500指数の2.03倍をはるかに上回り、オンライン販売大手のアマゾン・ドット・コム(AMZN)の3.13倍も上回るが、コンテンツ配信大手のネットフリックス(NFLX)の7.7倍は下回る。

*ウーバーの競争相手は同業のリフト(LYFT)だけではない。自動運転車は運転手を必要としないため、ウーバーにとっては大きなビジネスチャンスだが、この分野ではアルファベット(GOOGL)傘下のウェイモや電気自動車大手のテスラ(TSLA)アップル(AAPL)などが競争相手となりそうだ。配車サービスでもリフト以外にも米国内に競合他社は多く、海外市場では中国のDiDi(滴滴出行)が強力なライバル。

*総合すると、株価が戻ってきたウーバー株は見送った方が良いようだ。

 

2019年6月10日号『バロンズ拾い読み』より
6. The Trader 株価は急反発したものの、慎重な姿勢を保つ時【米国株式市場】
貿易戦争の影響やFRBの緩和姿勢を見極めるには時間が必要