*ファンドマネジャーが企業経営者に対する不満を示すケースが増加している。以前であれば、ファンドマネジャーは企業の行っていることが気に入らなければ単に株式を売却するだけであった。今では、株価が本来あるべき水準を大幅に下回っている企業に対して、そのバリュエーションのギャップを解消できるような変更を迫るファンドマネジャーが増加しつつある。

*運用資産1兆ドルのウエリントン・マネジメントは2月末に製薬大手のブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)によるバイオ医薬品大手のセルジーン(CELG)買収計画に反対を表明し、セルジーンの株価は数時間で8%下落。「今の時代で、最も長期にわたる影響を及ぼす事件を一つ挙げるとすれば、それはアクティビスト株主になるというウエリントンの決断だ。実際に投資先を選択する会社が実力行使に出ると決めたのだから、米国実業界は気を付けた方がよい」

*昨年は、雪崩的なアクティビストの活動があり、ラザードによると2018年にはアクティビストの活動に過去最高の650億ドルが投入され(2017年は624億ドル)、226社の企業が標的となった(2017年は188社)。T.ロウ・プライス(TROW)は昨年12月に、アクティビスト投資家サード・ポイントによるネスレ(NSRGY)に対するロレアル事業売却の圧力に際して、ネスレの取締役と経営陣を支持すると表明。ジャナス・ヘンダーソン(JHG)はアクティビストのエリオット・マネジメントが医療サービスソフトのアテナヘルス(ATHN)に買収を提案した際に同社の経営陣に売却を検討するように圧力をかけ、アルチザン・パートナーズ(APAM)はスイスのエンジニアリング大手ABB(ABB)の送配電事業売却に反対。ニューバーガー・バーマンは他の投資信託運用会社よりも積極的なスタンス。

*「これは全般的に投資家にとってはプラスだ。ファンドマネジャーは小規模な投資家の声を米国実業界に向けて増幅できる可能性を実現しつつある。これらのマネジャーは多くの投資家の声を合わせることで、一人一人の投資家よりも大きな声を上げることができる。これはファンド投資のメリットであり、またアクティブ運用マネジャーにとってはよい報酬を得る方法になる可能性がある」

*大手アクティビストは伝統的なファンドマネジャーとともに、インベスター・スチュワードシップ・グループや、米国機関投資家評議会(CII)のコーポレート・ガバナンス・アドバイザリー・カウンシルなどの、コーポレートガバナンスの基準を設定する主流の業界団体に参加するようになっており、そこでファンドマネジャーと相互に緊密な関係を構築しつつある。

 

2019年4月8日号『バロンズ拾い読み』より
5. Corporate America Had Better Take Note 実業界は気を付けろ【新アクティビズム】
アクティビスト化するファンドマネジャー