*米国の小売売上高は今年3.5%増とみられ、失業率は非常に低く、消費者信頼感は非常に高いが今年に入ってから既に7567店の小売店の閉店が発表されている。開店数を除くと4512店の純減。昨年通年の純減は2606店。

*投資家は小売企業の選び方に気を付けなければならない。ショッピングモールの低迷や消費パターンの変化による過度な影響を受ける銘柄があれば、新たなルールに適応し好調な業績を上げている銘柄もある。業績がさえない銘柄を保有し続け、回復を待つという戦略は取るべきでない。現在の好況で苦戦している店舗は、次の不況期を生き残れないだろう。

TJX(TJX)バーリントン・ストアーズ(BURL)のようなディスカウントストアや1ドルショップのダラー・ゼネラル(DG)ダラー・ツリー(DLTR)がバリューという点で好調。スポーツウエアを日常的に着るという長期的なトレンドは、ナイキ(NKE)アンダーアーマー(UAA)ルルレモン・アスレティカ(LULU)や、ノース・フェイスなどのブランドを有するVF(VFC)にとって良い兆候。

*食料品販売業界では、テクノロジーに投資する資金のある専業食料品店クローガー(KR)が小規模なライバルの倒産の恩恵を受けるが、株価の変動が大きく、投資するならば大幅に値下がりしたタイミングを狙うべきだろう。グローサリー・アウトレット・ホールディング(GO)は「小売業界のユニコーン企業」か。同社は6月に公開価格22ドルで上場し、現在の株価は38ドル強、今年度の予想株価収益率(PER)は65倍。来年度のEPSは34%の急増が予想されている。

2019年8月5日号『バロンズ拾い読み』より
1. The Retail Reckoning Has Only Just Begun 小売業界の試練【小売銘柄】
米国の小売店舗は過剰 業態別のポイントを検討