*1987年以来の好調なスタートとなった1月、S&P500指数が上げ一服となっても不思議はないだろう。同指数は前週末比0.2%安の2664.76、週間ベースでの上昇は4週で終わった。ただし、ダウ工業株30種平均(NYダウ)は0.1%高、ナスダック総合指数も0.1%上昇。
*株式市場では米中貿易摩擦、ダボス会議からの懸念を示すヘッドラインなどの悪材料、半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TXN)の好業績や米連邦準備制度理事会(FRB)によるバランスシートの縮小停止検討の報道などの好材料があったが相場が織り込んだ材料は少なかったよう。政府機関閉鎖の一時解除のニュースにはほとんど反応せず。
*政府機関閉鎖の終了が市場にとって悪材料になるとの見方も。FRBにとっての懸念材料が一つ減り、「FRBの政策の足かせも軽くなる」から。世界経済の成長率減速や、貿易問題、2019年の業績予想下方修正など、FRBにとっての弱気材料は他にもあるが。
*S&P500指数は昨年12月24日の底値から13.3%戻しているが、バリュエーション面でまだ上値余地はあるよう。シティグループのストラテジストによれば、S&P500指数の実績ベースの予想株価収益率(PER)が現在のように16~18倍の時、その後の12カ月間の上昇率の中央値はこれまで9%だった。「懸念が和らげば、株価には上昇余地があり、上昇するはずだ」。

 

2019年1月28日号『バロンズ拾い読み』より
9. The Trader 年初からの急騰のあと、上昇一服【米国株式市場】
相場の勢いを持続させるには至らなかったものの、上昇余地はありそう