*先週、中国からの3000億ドル相当の輸入への新たな10%の関税適用をトランプ大統領が発表すると株式市場は急落。債券市場への影響はさらに大きく、米国10年国債利回りは前週比で21.7ベーシスポイント(bp)低下の1.864%となり、一週間の低下幅としては過去7年超で最大、水準としては2016年11月7日の選挙日以来の低水準。債券市場は米連邦準備制度理事会(FRB)による予想通りの25bp利下げよりも、関税に対して大幅に反応。

*CMEグループのフェドウォッチによると、新たな関税によるさらなる悪影響の可能性を受けて、フェデアルファンド(FF)金利先物市場は、9月17~18日の次回FOMCでのさらなる25bp利下げの可能性を99%と織り込んでいる。また、FF金利誘導目標の1.5~1.75%またはそれ以下の水準へのさらなる利下げの可能性は74.8%と織り込まれている。

*これまでは、米国株式以外に選択肢がない状況だった。しかしJPモルガンのグローバル・マーケッツ・チームによると、米ドルの現金同等物が一つの選択肢。FF金利誘導目標が2~2.25%へ引き下げられた後でも、格下げや利回り上昇に伴って元本が低下する債券と比較して魅力的。

*債券:ストック・トレーダーズ・アルマナックによると、1971年以降の大統領選挙の前年では、7月から10月にかけての期間が最悪の4カ月となる。ダウ工業株30種平均(NYダウ)とS&P500指数は7月にピークを迎え、その後数カ月はボックス圏で10月に下落し、10月末のハロウィーンの時点では損失になる傾向にある。同じデータによると、両株価指数は年末にかけて上昇する。

*プット・オプション:BTIGのチーフ・ストラテジストは公益やソフトウエアのような債券類似セクターが恩恵を受けてきたが、世界の債券市場の高揚感を考慮すると脆弱(ぜいじゃく)と指摘、プット・オプションの買いを推奨。

 

2019年8月5日号『バロンズ拾い読み』より
6. Up and Down Wall Street 新規関税の発表が市場動向を支配 【コラム】
新規関税の発表で株価下落 株式以外の選択肢