■ 時価総額でアップルを抜く
*時価総額世界一の座は2003年以来。
*ナデラ氏は2014年にCEO就任。当時収益性は高かったが投資家からそっぽ、モバイル軽視が理由。株価は1999年末から40%近く下落(S&P500指数は20%上昇)。
2014年7月「同社はモバイルファースト・クラウドファーストの世界における生産性とプラットフォームの企業になる」と宣言。
*企業のコンピューティング負荷のうちクラウド処理の割合は現在23%。2023年までに52%に高まると予想。
*2017年の調査:同社はクラウド市場で13%のシェア、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の52%に次いで2番目。同社アジュールの直近四半期の売上高は76%増で46%増だったAWSとの差は縮まっている。

■ 経常収益の割合が拡大、成長機会の可視性を高める
*ナデラ氏は、オフィスのサブスクリプション版(オフィス365)を前面に据え再活性化にも注力。経常的な売り上げは投資家の関心の的。
*サブスクリプション収入がオフィスの売上高に占める割合は2014年に10%。3年後にはサブスクリプション契約を基本とするオフィス365の売上高が従来のライセンス収入を上回った。
*サブスクリプションとクラウド事業を加速する戦略は結実:同社の直近四半期の売上高と利益はそれぞれ19%増、36%増。

*ナデラ氏のCEO就任以降の株価上昇率は200%を超え、S&P500指数を150%ポイント近くアウトパフォームし。
*同社の2019年予想株価収益率(PER)はアップルの13倍に対して23倍と。
*高PERは妥当:アップルはサービスを主体とする企業への転身を図っているが依然としてiPhone(アイフォーン)が売上高の3分の2。一方でマイクロソフトはアップルに比べてはるかに経常的で安定した売り上げの比率が高く、ハードウエアの製品サイクルとのつながりは薄い。投資家から見た成長機会の可視性はマイクロソフトの方がはるかに高い。

2018年12月3日号『バロンズ拾い読み』より
7. How Microsoft Became the World’s Most Valuable Company 復活 【マイクロソフト】
時価総額世界一の座に15年ぶりに復帰、クラウドとサブスクリプションへの転換が奏功