*S&P500指数とナスダック総合指数は先週最高値を更新。米国市場は他市場を大きく引き離している。上場投資信託(ETF)の例だと、4月25日までの1年間のSPDR S&P500 ETF(SPY)のトータルリターンは16.73%、ナスダックの大手成長企業を含んでいるインベスコQQQトラスト(QQQ)は23.7%だが、海外のリターンはこれより低く、米国以外の主要先進国市場に連動するiシェアーズMSCI EAFE ETF(EFA)は12.59%、iシェアーズMSCIエマージング・マーケッツETF(EEM)は11.9%。

*利上げに関して忍耐強く対処するとの米連邦準備制度理事会(FRB)の発言を受けた企業の経営環境好転で、例えば動画配信のネットフリックス(NFLX)は約22億ドルのジャンク債を米ドル建ては5.375%、ユーロ建ては3.875%の利回りで発行巨額資金は制作費に充てられる。株価は年初来40%上昇。

*ダウ工業株30種平均(NYダウ)は先週、0.06%の下落、立役者(悪役)は金曜日に9%下落した半導体大手インテル(INTC)や、木曜日に失望的な決算で13%下落した複合企業3M(MMM)。3Mの下落は1987年10月19日のブラックマンデーの26%下落に次ぐ。

*S&P500指数やナスダック総合指数は最高値を更新したが、アマゾン・ドット・コム(AMZN)やソーシャルネットワーク大手のフェイスブック(FB)は以前の高値を下回っている。そのかわりに、先週時価総額が一時1だ。兆ドルに達したマイクロソフト(MSFT)や、ネットワーク機器大手のシスコシステムズ(CSCO)、メディアであまり多く取り上げられない工業系の銘柄(物流大手のエクスペディターズ・インターナショナル・オブ・ワシントン(EXPD)、トラック製造大手のパッカー(PCAR)、工業製品・包装用品大手イリノイ・ツール・ワークス(ITW)、産業機械大手インガソール・ランド(IR)、電子計器や電気機械装置メーカーのアメテック(AME)など)が上昇率上位。

*S&Pのハワード・シルバーブラット氏は、昨年9月のピークから現在までの期間に、指数そのものはほぼ変わりない水準だがS&P500指数構成銘柄のうち約半分は上昇し、半分は下落したため、銘柄選びが重要な相場になっていると指摘。勝ち組だけを選び、負け組を避けることができれば良いのだが(そうはならない)、とインデックス投資派は主張する。

*「5月に売って、どこかへ行け」、現在では信頼性が薄い。過去50年では、11月1日から4月30日の期間のダウの上昇率7.55%に対し、5月1日から10月31日は0.31%だが、過去5年間でみると、5月1日から10月31日の上昇率は4.31%、11月1日から4月30日は5.48%と、差が狭まっている。

 

2019年4月29日号『バロンズ拾い読み』より
5. Up And Down Wall Street 最高値更新の中、良いことずくめではない 【コラム】
S&P500指数とナスダック総合指数は最高値、米国のGDP成長率は3.2%