*ヘッジファンドのライト・ストリート・キャピタルの最高投資責任者(CIO)グレン・キャッチャー氏、パートナーのジェイ・カーン氏はクラウドからライドシェアまで、ハイテクの世界の大きな変化の兆しを見抜いては投資。2010年7月設定のロング・ショート戦略ファンドの手数料控除後の設定来年率リターンは19.1%(ナスダック総合指数は17.5%)。

*本誌:ハイテクセクターの投資家がもうけるには、アマゾン・ドット・コム(AMZN)フェイスブック(FB)のような巨大企業と小規模な若い会社とどちら?
キャッチャー氏:時には小規模な会社の方が有利だが、巨大企業が先回りできることも。例えばクラウドでは、アマゾンはアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)を通じて非常に素晴らしい立ち位置。職場向けメッセージアプリを手掛け、来月直接上場(ダイレクト・リスティング)を予定するスラック・テクノロジーズ(WORK)は変化を先取りしている小規模な企業の例。

Q:スラックも保有しているが、昨年の売上高は約4億ドル、約1億3900万ドルの赤字。どこに魅力や潜在的成長可能性?
キャッチャー氏:同社によると、今年の1~3月の日次ユーザー数は1000万人を超えた。市場規模は2億人以上とみており、その約5%に普及していると言える。グーグルのプラットフォームのユーザーが約3億人いることからしても、スラックには劇的な成長機会がある。

カーン氏:過去10年間で企業向けソフトウエアとソーシャルネットワーキングとの垣根を越えた企業は数少なく、スラックはその一つだ。スラックのダイナミズムはフェイスブックなどと似ており、新たな参加者が1人増えるごとに、既存ユーザーにとっての価値が増していく。スラックの場合はマーケティングを完全にやめても、年に45~50%は成長していくだろう。

Q:他に興味がある領域は?
カーン氏:英国の料理出前注文サイト大手、ジャスト・イート(JE.英国)を保有。利払い・税引き・償却前利益(EBITDA)マージンは50%以上。同社のサイトは、注文したい人と料理店をマッチングする。

Q:別の保有銘柄は?
カーン氏:高級品会社は、価格のコントロールができず、競合商品を販売するのをやめさせることもできないマゾンでは売りたがらない。高級品のオンライン販売の比率は約9%。アパレルでは米国で10%台後半 、中国では20%台前半。オンライン販売サイト運営のファーフェッチ(FTCH)はこの問題を解決するために設立され、高級品のオンライン販売の拡大を試みる。売上高の40%が高級ブランド、60%が小規模な高級品会社。高級ブランドはきちんと管理されていないオンラインプラットフォームでの販売は敬遠しがちだが、ファーフェッチはプロフェッショナルなソリューションを提供しており、小売店側も高い手数料を喜んで支払っている。

 

2019年5月27日号『バロンズ拾い読み』より
6. Uber, Slack, and Other Big Bets on the Future 未来に賭ける【インタビュー】
ウーバーやスラックなど、ヘッジファンドが大きく賭けている銘柄