■ 減税による効果は一時的
力強い雇用の伸び、賃金の上昇の加速、インフレの抑制など、これまでのところ2018年は経済にとって良い年になっている。2019年は?

*最も可能性の高いシナリオ「苦しみながらも乗り切る」:2017年末成立の税制改革法、変更の一部は2019年に期限切れとなり、改革の効果が失われるか反動が来る可能性。

*米国の実質GDP(国内総生産)は、毎年ほぼ変わらず約2.3%の伸びを示してきた。FRBは成長率が2%を下回る事態を防ぐために利上げのペースを落とすかもしれない。筆者は来年の経済成長について、FRBの意に沿う緩やかな減速が起こる確率を60%とみている。

■ リセッション入りの可能性?
*3カ月物と10年物の米国債の利回りスプレッドは縮小が続き、現在は0.5%以下。このスプレッドがマイナスになるとFRBがいつ金利を引き下げてもおかしくない。1950年代以降、このスプレッドは景気後退に関するほぼ完璧な予測材料となっている。

*景気の弱さを示す兆候のうち、最も警戒すべきことは、住宅セクターの動向だろう。「住宅イコール景気」という主張がある。住宅建設は冷え込み、2017年に急上昇した住宅建設業者の株価は、今年は低迷している。

*危険性が高いのは、政策ミスで。貿易問題に対する懸念よりも、さらに大きな下振れリスクはFRBにある。筆者は、2019年に過度な利上げが景気後退をもたらす確率を20%と考える。

■ その他の可能性
*支出や借り入れが著しく増加し、行き過ぎたインフレにつながるという過熱シナリオや、米国経済が生産性と設備投資の停滞から脱却しGDP成長の加速が持続する、という最も魅力的なシナリオも筆者は10%の確率で考えている。

 

2018年12月17日号『バロンズ拾い読み』より
8. A Recession Is Unlikely, But Expect Slower Economic Growth 来年の展望【米国経済】
リセッション入りの可能性は低いが、経済成長は減速へ