*半導体需要は軟調、米独占禁止当局が半導体大手ブロードコム(AVGO)の一部市場における支配力について調査中。トランプ政権は半導体の主要な買い手である中国のファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術)をブラックリストに載せた。ブロードコムの利益は打撃を受けるだろう。

*ブロードコムの長期株主は損をしていない。過去5年の平均リターンは年率31%と、S&P500指数の3倍だ。一方、過去5年平均の予想PERは13倍、直近の終値に基づく予想PERは11倍(S&P500を35%下回る)。今が買い時だ。

*ブロードコムのバリュエーションは、半導体不況や貿易紛争が始まる前から低かった。同社は猛烈な勢い(過去6年間は年1社以上のペース)で他社を買収しており、これは必ずしも悪いことではないのだが、投資家は買収屋より自律的成長を続ける企業を好む傾向がある。ブロードコムの場合、2018年10月期のフリーキャッシュフローは82億ドルであり、今年度は102億ドル、来年度は119億ドル(時価総額の12%に相当)の見込みと、良い兆しが見られる。

*ブロードコムは売り上げの約4分の1をアップル(AAPL)から得ているが、iPhone(アイフォーン)の販売台数にかつてのような伸びはみられない。しかし、高速な5G機能を約束することで、来年iPhoneブームが起きたら?そしてブロードコムはスマートフォンの細々とした部品類でもうけており、例えば、バルク弾性波フィルターと呼ばれる部品の市場シェアは70%。現行iPhoneに対して20ドル相当の部品を供給しているが、5G対応iPhoneでは、これを25ドル以上に引き上げられるかもしれない。そうなればファーウェイ向け出荷禁止で失われる売り上げをそれなりに補てんすることは可能だろう。

*状況が悪化してブロードコムの利益が2020年度は一切成長しないと想定する一方で、例えば貿易合意への期待やiPhone新ラインアップの成功でPERが再度13倍になると仮定すると、株価は300ドル、配当込みリターンは23%と予想される。不振時のリターンとしては悪くない。

 

2019年6月3日号『バロンズ拾い読み』より
2. Broadcom Stock Has Been Battered. 株価が大幅に下落 【ブロードコム】
割安な今がお買い得