*2019年前半の株価上昇の後も、株式は依然として最良の資産クラスと考えられる。S&P500指数は先週1%下落したが、年初来のリターンは20%。同指数は15日に過去最高の3014に達した後、2976で週を終えた。「株式にとって理想的な環境は、低水準の経済成長、低インフレ、低金利。現在その全てが実現している」
*S&P500指数の予想株価収益率(PER)は18倍、配当利回りは1.9%と、割安な状況ではない。しかし、10年続いた経済成長は鈍化の兆候をほとんど示しておらず、債券を見ても、10年物米国債利回りは2.05%と、株式と競うような水準にはなっていない。
*バリュー志向の強い投資家は、グロース銘柄のアウトパフォームが続く中、出遅れている銀行などのセクターに魅力を感じている。主要銀行の2019年PERは平均10倍と、S&P 500指数と比較して過去最低水準に近く、配当利回りは平均3%近辺。
*カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)はをはじめとする大型の年金基金は、プライベート・エクイティやヘッジファンドに多額の投資をしているが、2018年6月までの10年間のリターンはS&P500指数を下回った。エール大学基金も、ポートフォリオの3%しか米国株式を保有しておらず、過去10年間の大幅な株価上昇の恩恵を受けられなかった。
*プライベート・エクイティは苦戦。業界最大手のブラックストーン・グループ(BX)のコーポレート・プライベート・エクイティ事業の今年上半期のリターンは5.3%と、S&P500指数のトータルリターンを大きく下回った。
2019年7月22日号『バロンズ拾い読み』より
7. Up And Down Wall Street 株式が依然最高【コラム】
株式が最良の資産クラス バークシャーに対する不満 出遅れている欧州銀行株