*金価格が間違いなく上昇傾向にある。8月限の先物契約は金曜日に1403ドルを付け、過去5年の最高値で、かつ強い上値抵抗線になっていた1380ドルを超えた。ルイーズ・ヤマダ・テクニカル・リサーチ・アドバイザーズは金曜日に、金価格が1400ドルを上抜ければ、次の目標価格は1525ドルが示唆され、さらにこれを上抜けると、次の目標価格は1600~1800ドルになるとする。本誌ラウンドテーブルのメンバーで、投資会社ダブルライン・キャピタルを率いるジェフリー・ガンドラック氏も、昨年9月のカバーストーリーで引用されて以来、数回にわたり金については強気だと繰り返してきた。

*金の難点は何も収益を産まないことだが、マイナスの利回りで13兆ドルを超える債券がある世界において、もはや金が不利になることはない。ICAPのテクニカルアナリストであるブライアン・ラローズ氏は、金の長期チャートが(谷が三つ並ぶ)逆三尊になっていると読む。このチャート形は、テクニカル分析の世界では上昇相場の前兆とされている。

*金は伝統的には紙の通貨、特にドルの価値減少に対するヘッジと見られてきた。金の上昇は、他の二つの避難所、すなわち日本円と米国債と連動している(10年米国債利回りは2%近くまで急落)。一方、株式調査会社CFRAの投資ストラテジスト、リンゼイ・ベル氏「CFRAは、不確実性が高まる強気相場終盤でポートフォリオを分散させる賢明かつ防御的な方法として金を見ている。FRBが利下げカードを切れば短期的に株価を押し上げるかもしれないが、長期的な経済成長の観点で言えばマイナスのサインだろう。金を保有することでポートフォリオのリスクを低減できる」

*ダウ工業株30種平均(NYダウ)の値を1オンス当たりの金価格で割ると、NYダウ相当の現金で現在買えるのは約19オンスの金。NYダウ相当の現金でたったの7.8オンスしか買えなかった2011年のピーク時に比べればはるかに安い。

2019年6月24日号『バロンズ拾い読み』より
7. Up and Down Wall Street 次の有望な投資対象は?【コラム】
保険として金投資が有効