■ 税制改革から1年
法人税率の引き下げ、設備投資の一時的な加速減価償却、海外利益の取扱などを特徴とする法人税制改革から1年が経過。これまでのところ、海外滞留利益の還流、M&A(合併・買収)、配当や自社株買いを通じた株主還元、設備投資などに目立った加速なし。

■ 税制改革後も、資金還流の動きは低調
*昨年末の税制改革で米国の多国籍企業は海外の留保利益を納税なしに本国に還流可能になった。ただし還流の動きはいまだ低調。現在のペースでいくと、滞留利益の全てが戻るには10年以上かかるかもしれない。
*M&A活動は今年前半の底よりは活発化したが2016年末や2007年末のピーク時に比べかなり低調。配当や自社株買いへの支出も今年前半7000億ドルと過去最高に達したが2016年前半とさほど違わない。社債の償還と新規発行も低調。

■ 設備投資増加にも寄与せず
*設備投資は増加したが減税なしの場合に想定された以上に増えたわけではない。むしろ最近の設備投資の増加は、原油価格下落と急激なドル高の悪影響を受ける以前の傾向に戻っただけ。
*税制改革は企業が設備投資などの支出を増やすのではなく、単に利益剰余金を増やすためだけの意味のない富の移転だった可能性も。

 

2018年12月10日号『バロンズ拾い読み』より
7. So Far, the Corporate Tax Changes Have Been a Bust 税制改革の影響【税制改革】
現時点で、法人税制改革は不成功