*アナリストの目標株価は株価予想にとって常に有益とは限らない。S&P500指数構成企業のうち建設機械大手のディア(DE)ウォルマート(WMT)、会員制量販店のコストコ・ホールセール(COST)、医薬品・医療器具大手のアボット・ラボラトリーズ(ABT)など28銘柄が、「買い」推奨(またはそれに相当するレーティング)でありながら、目標株価は現在の株価を下回っている。

*アナリストの目標株価の基礎となる前提が投資家には明らかでないこともある。例えばネットワーク機器大手のシスコシステムズ(CSCO)をカバーしているアナリスト2人はいずれも「買い」推奨とし、同程度の目標株価を掲げているが、そのバリュエーション手法は異なる。

*株価収益率(PER)とサム・オブ・ザ・パーツ分析(事業セグメントごとに異なるPERを用いる)は、アナリストが用いる無数のバリュエーション手法のうちの一部にすぎない。目標株価を導き出す他の方法には、DCF法、M&A(合併・買収)ポテンシャル、期待値のシナリオプランニング、株価純資産倍率(PBR)、再取得原価分析、株価キャッシュフロー倍率、利払い・税引き・償却前利益(EBITDA)倍率、株価売上高倍率(PSR)、PEGレシオ(PER/利益成長率倍率)など。投資家は少なくとも、アナリストが目標株価の算出に用いた手法とその用語の実際の意味を理解すべき。

*目標株価が重要か判断する必要も。「セルサイドの目標株価にはまったく注意を払っていない。弊社は独自のバリュエーションを信頼している」「目標株価は重視しないが、銘柄の『買い』と『売り』のレーティングの数には注意を払っている」など。極端な目標株価をうのみにせず、一つの目標株価のみを信じ過ぎないことが重要。

*まず投資家が知っておくべきことは、S&P500指数の2019年予想PERが17倍だということ。過去5年の平均と一致し、過去30年の平均を5%上回っている。過去30年間には、予想PERが約25倍で推移したハイテクバブルの時期もあれば、金融危機のどん底では11倍の時期もあった。こういった知識に加えて、目標株価とその構成についてもう少し理解を深めることは、全ての投資家にとって有益だろう。

 

2019年7月1日号『バロンズ拾い読み』より
3. Do Wall Street Stock Price Target Really Matter? 目標株価は重要か【目標株価】
投資家が知っておくべきこと