*ジェフリーズのチーフグローバルエクイティ・ストラテジストのショーン・ダービー氏は香港を拠点としており、米中の類似性について尋ねるには打ってつけの人物。

Q:エコノミストらは貿易戦争を理由に中国の経済成長率予想を下方修正しているが。
A:景気好転の期限が政治的に決まっている。米国では昨年12月の利上げが誤りだったといわれるが、中国では昨年理財商品や不良債権の問題に対処するために取った金融引き締め政策が誤りとされている。昨年5~6月には信用収縮が起き、同時に貿易紛争もエスカレートし始めた。中国は貿易と過度の引き締めという二つの問題を同時に抱えている。雇用情勢が1年近く悪化を続けているため、経済を下支えする必要がある。FRB同様に中国政府も失業率や雇用創出には神経をとがらせている。

Q:推奨する投資先は?
A:まず日本は、今年のラグビーワールドカップと2020年の東京オリンピックがある。スポーツ用品ブランドに関係した企業のリターンが良くなるものだが、投資家はまだこれに注目していない。当社の推奨銘柄は、広告の博報堂DYホールディングス(2433)、スポーツ用品のミズノ(8022)、旅行のエイチ・アイ・エス(9603)、スポーツ用栄養補助食品を販売する明治ホールディングス(2269)など。

Q:選好する他のテーマは?
A:金融は緩和され、世界の経済成長率は今年3.2%と予想されている。金融市場のリスク回避傾向の強さは正当な理由を欠いている。デフレの大きな波も見えない。世界的に賃金も低下していない。FRBの利下げで、長期金利も低下して住宅ローンの借り換えが始まるだろう。米国の30年物住宅ローンの約半分が借り換え可能な状態にある。例えばホームデポ(HD)など米国の住宅改修関連企業や、D.R.ホートン(DHI)など住宅建設会社を選好。

Q:香港を拠点としているためにストラテジストとして何か違う視点を持っているか?
A:過去50年間の米国の強みは世界通貨ドルと経済規模の大きさだった。今や、中国経済は米国の4倍以上に成長する可能性があり、さらに自国通貨を世界の主流にしようと試みている。新たな経済圏が作られようとしている。

 

2019年9月16日号『バロンズ拾い読み』より
7. China and the U.S. Face Similar Pressures 米中貿易摩擦は解消するか 【インタビュー】
中国と米国はともに貿易摩擦を解消すべき類似の圧力に直面