*配当金に関しては大型株に注目が集まり中型株が見過ごされるという傾向だが、シーラス・リサーチのマネジングパートナー、パンカジ・パテル氏によれば持続可能な配当成長がある中型株から成る同社のポートフォリオの過去10年間の平均年率リターンは17.6%で、ラッセル中型株指数を2.2%ポイント上回る。

*S&P中型株400指数では構成企業の70%近くが配当金を支払っており同ベンチマークの平均配当利回りは1.78%(S&P500指数の平均配当利回りは約2%、小型株は1.51%)。

*本誌は少なくとも2%の配当利回りがあり、2018年のフリーキャッシュフローが前年比で増加した中型株から5銘柄を厳選。営業キャッシュフローから設備投資額を差し引いたフリーキャッシュフローは企業の財務健全性を示す指標であり、債務返済、買収、自社株買い、配当金などに使われる。

セーバー(SABR):航空券予約ソフトウエア。配当利回りは2.7%で5銘柄中1位。2019年の1株当たり利益(EPS)のコンセンサス予想は1.07ドルで、昨年の1.54ドルから減少している。

マンパワーグループ(MAN):人材派遣会社。配当利回りは2.4%で5銘柄中2位。株価は低迷しており、過去1年間のリターンはマイナス28%。昨年5月には、半期ごとの1株当たり配当を93セントから8.6%引き上げて1.01ドルにすると発表。

ウェブスター・ファイナンシャル(WBS):5銘柄中唯一の銀行。過去1年間のリターンはマイナス1.4%。それでも今年のEPSが昨年の3.70ドルから増加して4.17ドルになると見込まれている。

ナショナル・インスツルメンツ(NATI):科学者、技術者向け制御ソフトウエア、計測機器メーカー。配当利回りは2.2%、過去1年間のリターンはマイナス13%。コンセンサス予想によると、2019年のEPSは昨年の1.16ドルから増加の1.21ドル。

J2グローバル(JCOM):クラウドベースで通信・ストレージサービスを提供、「PCMag.com」などのサイトを運営するJ2グローバルの配当利回りは5銘柄中最も低い2%だが、過去1年間のリターンは9.5%で5銘柄中1位。今年のEPSは昨年の6.35ドルから増加して6.79ドルになると見込まれている。また2月には1株当たり四半期配当を2.3%引き上げて44.5セントとした。

 

2019年3月25日号『バロンズ拾い読み』より
8. 6 Mid-Cap Stocks With Sustainable Dividends 見過ごされがちな中型株【配当金投資】
配当利回り、フリーキャッシュフロー、配当安全性で厳選