*関税をめぐって考えるべき問題の一つは、貿易戦争の本格化が米国株式市場の全面下落につながるか。そうなるとは限らない。長期的成長見込みのある割安銘柄を探すのが得策。

*もう一つの問題は、割安が好ましいかという問題。グロース株があまりに長い間バリュー株をアウトパフォームしていることから、バリュー投資はもはや破綻しているように見えるが、パフォーマンスが低かったことで通常よりも魅力的。バリュー株は市場に対して平均24%のディスカウントで取引されてきたが、現在は31%のディスカウントで投資できる。

*金融大手チャールズ・シュワブ(SCHW)の株価は、1年前の高値60ドルから直近では43ドル強まで下落、PERは過去5年平均22倍に対し、直近は15倍。前四半期収入は14%増の27億ドルと、15四半期連続増収を記録した。今後数年にわたる健全な成長が見込まれる。

*コーチから社名を変えたハンドバッグメーカーのタペストリー(TPR)の株価は、1年で30%下落。PERは、過去5年間の平均17倍に対し、直近は11倍。ハンドバッグは10年前のような脚光を浴びてはいないが、市場はまだ成長。

*自動車部品メーカーのボルグワーナー(BWA)は自動車の燃費向上につながるターボチャージャーなどの部品や、市場シェア拡大が見込まれるハイブリッド車や電気自動車に使用されるシステムといった、優れた製品構成を有し、EPSは今後5年間で平均1桁後半の高い成長率が期待されている。予想PERは8倍という低水準。

*その他:リジェネロン・ファーマシューティカルズ(REGN)アプライド・マテリアルズ(AMAT)

 

2019年5月20日号『バロンズ拾い読み』より
2. 5 Cheap Stocks to Ride Out the Trade War 貿易摩擦を乗り切る5銘柄 【有望銘柄】
市場の不透明性が増す中、割安で成長余地のある5銘柄を紹介