*ダウ工業株30種平均(NYダウ)は1週間で3%下落して、週次では6週連続の低下。難民認定を求めるメキシコからの越境者を阻止するために、メキシコからの輸入に関税を掛けるというトランプ大統領による新たな脅しが株価下落の拍車となった。

*トランプ大統領が株式市場を自身に対する成績表とみていることは有名。貿易摩擦悪化が金融市場と米国経済にとっての短期的な重しになっているとしても、ゴールドマン・サックスは、来年の大統領選挙への影響は小さいと考えている。重要なのは、2020年第2四半期前後の経済、労働市場、株式市場の動向だ。そのためゴールドマン・サックスは、トランプ大統領が最大の効果を狙って中国との合意を年末まで引き延ばしたいと望んでいる可能性があると結論付けている。

*景気に対する懸念によって債券利回りは世界的に大幅に低下しており、米国10年国債利回りは2.139%と、2017年9月以降の最低水準へ低下し、昨年10月の最近の最高水準からは1%ポイント超低下。

*国債利回りは10年債が2.15%で3カ月債が2.35%と逆イールド状態になっており、これが歴史的にリセッション(景気後退)に先んじてきたために株式市場を動揺させている。従って、金融市場の歴史において最も危険である、「今回は違う」という言葉を発することに、少なからずの不安もあるが実体経済からの前向きなシグナルと債券市場からの厳しいシグナルが交錯する場合、株式市場にとっては弱気ではなく強気のシグナルとなる。

*消費者信頼感と10年国債利回りを比較するモデルによれば、両者の乖離(かいり)度合いが上位4分の1に属する期間において、S&P500指数のその後6カ月の平均上昇率は14.34%で、下落確率は20.36%だった。両者の乖離度合いが下位4分の1に属する期間において、その後6カ月の平均上昇率は6.76%で下落確率は38.06%だった。現在の乖離度合いは、1967年以降の他の全ての6カ月間の水準を93%上回っており、株式市場の今後の高いリターンを示唆している。消費者信頼感は、過去2年間の大半において高原状態を維持しており、力強い労働市場を反映している。

 

2019年6月3日号『バロンズ拾い読み』より
7. Up and Down Wall Street 逆イールドカーブの意味は今回は異なる【コラム】
関税がまたも悪影響 逆イールドカーブは株式の買い場