*長年ウォール街のトップ通貨ストラテジストとされるイエンス・ノードビック氏は、マクロ調査コンサルティング会社エグザンテ・データを2016年に設立。トルコの脆弱(ぜいじゃく)性、米連邦準備制度理事会(FRB)の行動というよりは世界の成長サイクルの方に強く関連している米ドルの動き、さらに米国はメキシコではなく中国に長期にわたる貿易戦争を仕掛けるといった予想を早期段階で発信していた。

Q:ドルは、FRBの利下げや関税問題にもかかわらず強さを保っているが、変化するのはいつか?
ノードビック氏:世界の中央銀行にわれわれの分析を提供しているが、中央銀行側は介入に備えていない。何十年もなかったようなボラティリティに見舞われる可能性がある。中央銀行はボラティリティに備えるべきだ。

Q:人民元が1ドル7元より安くなるとの貴社の予想は正しかった。現在7.15元だ。
A:最近中国は、ニュースワイヤを通じ、あるいは毎日のレート設定でシグナルを出して通貨を制御している。これはすごいことで、貿易戦争の最中にもかかわらず、世界最大通貨の一つを、1ドルも費やすことなく、正確に望む水準に維持している。人民元のレートはまさに中国の望む水準にある。米国向け輸出が減ったとしても、欧州やその他世界の他国への輸出を増やしている。

Q:クライアントにどうアドバイスするのか?
A:世界中で債券の利回りがゼロになりつつあり、欧州の多くの国でマイナス圏になっている。イタリアでさえ、10年債利回りは1%未満だ。欧州の投資家は米国と比べて債券をより重視するが、自国では買うものがない。別の場所を探さざるを得ないため、米国債やデフォルトリスクが適度な一部の新興国などに向かう。われわれはインドネシア、フィリピン、メキシコ、ブラジルを重視している。新興国市場ではまだ利回りがあり、通貨もかなり安い。

 

2019年9月9日号『バロンズ拾い読み』より
6. ‘Incredible Volatility’ Could Hit the Currency Market 通貨市場 【インタビュー】
「非常に高いボラティリティ」が通貨市場を襲う可能性も