*米国の大型銀行株の多くが低ボラティリティのグループへ移行しつつある。4月現在でS&P500指数に含まれる19の銀行株のうち10銘柄が過去12カ月の実績ボラティリティで同指数構成銘柄の下位40%に入った。

*2018年初からS&P500指数は6%上昇したが、同指数に含まれる銀行株は9%下落。しかしウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのエクイティ戦略部長であるクリストファー・ハービー氏「銀行のファンダメンタルズは大幅に改善したが、株価への反映が遅れている」

*金融危機以降、銀行は以前より厳しい規制を適用され、米連邦準備制度理事会(FRB)によるストレステストに8回合格。バランスシート改善、堅実な与信の質の維持し、そしてリスクの高い合併・買収(M&A)の制限、配当や自社株買いを通じた投資家への資本還元、これが株価の安定に寄与。

*依然としてバリュエーションは低い。S&P500指数の株価収益率(PER)は予想1株当たり利益(EPS)の16倍となっているが、銀行セクターのPERははるかに低い10倍。

*アクティブマネジャーの多くが銀行株を回避する一方、一部の銀行株が低ボラティリティ株に移行したことを踏まえ、クオンツ戦略系のファンドが投資を始めている。2016年末までは、上場投資信託(ETF)のインベスコS&P500低ボラティリティETF(SPLV)に銀行株は含まれていなかったが、現在ではウェルズ・ファーゴ(WFC)USバンコープ(USB)ピープルズ・ユナイテッド・ファイナンシャル(PBCT)などの銀行株がファンドの2.8%。将来の銘柄候補としては、JPモルガン・チェース(JPM)BB&T(BBT)、およびM&Tバンク(MTB)が挙げられる。

*「低ボラティリティ戦略は他のファンドへの投資に対するリスク分散を可能にする数少ない商品だ」。iシェアーズ・エッジMSCIミニマム・ボラティリティUSA ETF(USMV)が運用資産を昨年1年間で84%増やし266億ドル(全米25位)に、インベスコ低ボラティリティETFの運用資産は54%増加し108億ドルに。

 

2019年5月27日号『バロンズ拾い読み』より
9. Bank Stocks Have Another Reason to Gain 銀行株 【ファクター投資】
低ボラティリティの銀行株に注目