*米国のシェールオイルブームによって原油は供給過剰。さらに、OPECの動きなどで原油価格は大きく変動。現在、エネルギーセクターはS&P500指数のうち5.4%を占めるにすぎない。

*しかし、今年の本誌エネルギー座談会のパネリストは、株価が低迷している企業の中に真のバリュー銘柄があり、年内の原油価格の大幅な上昇は見込んでいないが、1バレル当たり60ドル以上ならば優良企業にとって業績の妨げにはならない、とみる。

*参加者は、ヘリマ・クロフト氏(RBCキャピタル・マーケッツのコモディティー・ストラテジーのグローバル・ヘッド)、クリス・イーズ氏(クリアブリッジ・インベストメンツのポートフォリオマネジャー)、デービッド・ハイキネン氏(ハイキネン・エナジー・アドバイザーズの創業者で最高経営責任者(CEO))、ジョナサン・ワグホーン氏(ギネス・アトキンソン・グローバル・エネルギー・ファンド(GAGEX)の共同マネジャー)。

Q:投資家がエネルギーセクターに注目する必要はあるのか?
イーズ氏:主に米国でエネルギー商品の輸送・加工・貯蔵に従事する川中企業に投資している。2019年のキャッシュフローは過去最高となる見込み、バランスシート、配当や配当カバレッジも改善しているがバリュエーションは過去最低の水準。インカム志向の投資家にとって興味深い投資先。配当利回りは6.5%で、S&P500指数の約2%、公益の3%、不動産投資信託(REIT)の4%を上回る。

ハイキネン氏:グロース投資家はエネルギー業界に注目する必要はないが、レラティブバリュー戦略やバリュー戦略をとる投資家は注目すべき。

Q:2019年の予想原油価格は?
クロフト氏:WTI価格が60ドル、ブレント原油先物価格が68ドルになるとみる。下振れシナリオは世界的な景気後退、上振れシナリオは計画外の生産停止。

イーズ氏:50~70ドルが妥当な目安。短期的にはこの値幅を超えて価格が変動するとみられる今後10年の平均価格は60ドル程度とみている。

Q:川中で最高のバリュー銘柄は?
イーズ氏:エナジー・トランスファー(ET)エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)キンダー・モーガン(KMI)プレーンズ・オール・アメリカン・パイプライン(PAA)ウィリアムズ(WMB)の5銘柄を選好する。これらの銘柄のバスケットは過去12カ月で10%のトータルリターンを上げた。

Q:評価が低い銘柄は?
ハイキネン氏:エネルギー大手ヘス(HES)の株価には、2025年予想フリーキャッシュフローが60億ドルに成長するという見通しが織り込まれている。しかし、2025年ははるか先。

Q:今年、エネルギー投資家が注目すべき大きなテーマは?
クロフト氏:石油生産輸出カルテル禁止(NOPEC)法案。OPECに対して独占禁止法を適用し、訴訟を提起することを可能にする。過去の大統領はNOPEC法案に拒否権を発動してきたが、トランプ氏は2011年に支持を表明。

 

2019年3月18日号『バロンズ拾い読み』より
4. The Outlook Brightens for Oil Stocks 2019年エネルギー座談会【エネルギー】
石油会社の株価見通しは明るい