■概況
まだ強い!さすがに上昇スピードは鈍ったが騰勢エネルギーがまだ残っているのか?ちなみにナスダック銘柄の時価総額上位で構成するナスダック100は先週水曜日に8月29日の史上最高値を更新し木曜も続伸した。主要指数の年初来上昇率はS&P500が+15.9%、ナスダック総合は20.5%でダウも+13.9%だ。ついでに言うとナスダック100は21.5%も上昇している。

■対ベンチマーク運用には興味無し?
今年の皆さんの運用成績はどうだろう?ところで日本人投資家の多くはこのベンチマーク対比に中々馴染まないと聞く。まずは損しないことが大事で、次に金額でいくら儲けたかに関心があると聞く。つまりどれくらいの資金をどの程度のリスクにさらして、そしてどう賢く儲けたかには鈍感らしい。だからタイミングを見計らった売買に熱心だし、あれほど法外な投信の手数料にも無頓着なのだろうか?

だとすればそれはなぜ?日本人投資家は大概が高齢者でこれ以上お金が増えても困る(?)。だからまず年金代わりの毎月配当型投信がある。そして儲けそのものより値動きがもたらすスリルを楽しみ射幸心を満たす商品が顧客をそそる。FX取引やレバ型ETFそしてテーマ型投信がそれか?一方でスタート時の金額が小さい若年層は「期待リターンが10%程度の運用手法では資産が増えない」とあきらめ顔。だから思いっきりレバが効いた為替証拠金取引で運試しだ。もしそうだとしたらその日本人は随分刹那的、そしてお金を冒涜している。

■今週の特集はフィナンシャルアドバイザー(FA)!
さて今週はフィナンシャルアドバイザー(FA)特集だ。関連記事5つすべてを4番【フィナンシャルアドバイザー①】と5番【同②】の2つにまとめた。4番は直近のFA業界の動向と代表的成功チームの紹介だ。現状の業界の課題は証券マン自身の高齢化と多様化する顧客層への対応で、その解決策が一匹狼型証券マンのチーム化だ。それも人種や世代間を横断したチーム構成にすることで提供するサービスの質・量を高める作戦が盛んだ。つまり単なる資産運用から顧客やその家族・一族が抱える問題への解決策を提供するコンサルティング能力を高めることに重点を置いている。

5番は運用機関向けコンサルティングチームの紹介だ。ここでいう運用機関は事業法人、基金、財団等のことだ。日本の証券会社なら事・金法そして公共法人部のことだろうか?大手証券傘下で独立した彼ら専門家集団への需要が高まり急成長しているという。

ところでこれらの記事からは改めて米国には資産家が多いのが分かる。全米トップのFAチームは平均17人の構成員で顧客預かりが1兆円超。つまり営業マン一人当たりで600億円!掲載したランキング表でも確認できるが、典型的な顧客当たりの預かりは数十億円だ、日本の実態と照らし合わせれば本当にすごいことだ。『バロンズ拾い読み』ではFA関連の話題は丁寧にフォローしていく。

■その他
カバーは1番【スポティファイ】音楽配信大手のスポティファイ・テクノロジー(SPOT)。投資対象としてポジティブな姿勢ではないが業界沿革を知るにはいい記事だと思う。2番【医療保険銘柄】「メディケア・フォー・オール(国民皆保険制度)」法案が成立すれば、民間保険会社の役割はなくなる可能性」とあり、そうなる可能性は極めて低いのでここが買い場という記事。銘柄はユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、アンセム(ANTM)、シグナ(CI)、ヒューマナ(HUM)、CVSヘルス(CVS)。

■出戻り証券マンのつぶやき
上述のFA特集は幾分興奮しながら編集していた。なんともダイナミックで魅力的な資産ビジネスがあるものだと。翻って日本では直近、対面証券最大手の店舗削減を含む営業戦略の見直しが報道された。今回の報道は日本の対面営業の流動化の号砲かもしれない。もしその流動化で業界の覇者たらんとすれば米国株式の扱いがカギを握るはずだ、ここは自信がある。ありがとうアメリカ株式。

『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信