ハイテク業界では、次世代通信規格「5G」に期待が寄せられている。5Gの通信速度は、現行の4G LTEと比べ10~40倍になるとみられているが、ウォール街のアナリストは最近、収益性に疑問を抱いている。

5Gのジレンマは、ソーシャルメディア、ビデオストリーミング、ゲームというスマートフォンにおける3大用途で、その特徴となる高速通信が必要とされないこと。「スマートフォンのダウンロードの速度は、4Kビデオストリーミングに対してさえ、既に十分なものになっている」

しかし半導体大手クアルコム(QCOM)の5G担当重役は「5Gでは全てが改善する。レイテンシーは大幅に短縮され、データレートは上昇し、信頼性は向上する」4Gへの移行時には、移動体通信システムの標準規格をめぐり、LTEとWiMAXとの間で勢力争いがあったが、5Gにおいては3GPPという単一の標準化機関に統一されている。各企業が最初から同一の規格に準拠するため、第5世代の無線通信はより安価になり、効率が上がるという。

米国で5G関連事業が本格展開するのに時間を要する一方、中国のインフラ需要は短期的に力強く、自治体が「5Gネットワークの設置速度を上げる」ために補助金を支給している。米政府は中国の5Gを主導する通信機器大手ファーウェイに対するアプローチを事実上禁止しており、米企業はファーウェイに部品を納入することができなくなっているため、米国の投資家が中国での5G隆盛にあやかる方法は、ファウンドリー(半導体受託生産)の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC、ティッカーはTSM)に投資すること。

 

2019年10月7日号『バロンズ拾い読み』より
8. The Real 5G Winner Could Be China 5Gの当面の勝者は中国か【ハイテク】
米国での利益享受機会は限定的との予想も