■ 金利と貿易問題が依然焦点
*FRBが2019年に2回以上利上げすることに対する疑念高まる。12月に25ベーシスポイント(bp)の利上げはほぼ確実だが、FRBがドット・プロット(各委員が予想する金利水準)の予想通りに2019年に3回利上げに市場は懐疑的。
*12月18~19日のFOMCでの25bp利上げについて金利先物市場が織り込む確率は74.1%。ただし2019年に1回の25bp、それも下半期の利上げしか織り込まず。
■ 意外と見逃されているバランスシート縮小効果
*FRBのバランスシート縮小が米国10年債利回りを17bp押し上げ。これはFF金利の68bp上昇に相当。FRBが月間500億ドルのバランスシート縮小を継続すれば、2019年末までにFF金利の220bp引き上げに相当。
*FRBはバランスシートの正常化は金融政策的には中立と主張してきたが、バランスシート操作はそれ以上のことを示唆。
*量的引き締めは痛烈な影響。市場は金利重視で流動性低下の破壊的な威力を忘れている。
■ あらゆる資産価格が低下
*9月末比では、ナスダック総合指数の下落率が13.8%。ラッセル2000指数も12.3%低下。米国以外の市場に追随する上場投資信託(ETF)iシェアーズMSCI EAFE ETF(EFA)は9.1%低下、iシェアーズMSCIエマージング・マーケッツETF(EEM)は7.4%低下。ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物も約30%暴落。先週だけで11%下落し、1週間としては2016年1月以来の大幅低下。
*一方で、ジャンク債の下落率は株式より小さく、iシェアーズiボックス$ハイ・イールド・コーポレート・ボンドETF(HYG)の下げ幅は3.3%。iシェアーズ20年超トレジャリー・ボンドETF(TLT)は9月末比で1.8%低下。
*トランプ大統領は先週「私は全ての要素、全ての統計を頭に入れている。私の直感は常に正しい。中国は合意を求めている。合意に達する可能性があれば合意する」。