ゼネラル・モーターズ(GM)傘下で自動運転車を開発しているクルーズ部門に対して、T.ロウ・プライス(TROW)ソフトバンク(9984)から11億5000万ドルの投資があったとの直近のニュースに対し、投資家の反応はこれまでのところ鈍い。発表された火曜日こそ小幅に上昇したものの、その後は下落基調となり、先週の終値は前週末を下回った。

*しかし、「自動運転は道路の安全を高めるだけでなく、平均的な消費者の年間の運転距離である1万2000マイルを長くすることで、ガソリンエンジン自動車と損益分岐点コストの式が変わる」との指摘も。

*自動運転車の動向にかかわらず自動車株を評価する見方も。「GMもフォード・モーター(F)も、コスト削減の結果、利益の大半を稼いでいる北米市場で年間230万台売れれば損益分岐点に達するため、値引きに頼らずに価格政策が立てられるようになっている」

*しかし、株価には損益分岐点の低下も自動車1台当たりの収益性の向上も反映されていない。2019年の予想利益に基づく現在の株価収益率(PER)は6倍未満で過去平均を25%下回るほか、クルーズ部門の価値を時価総額から差し引くとPERは4倍程度となり、過去7年間の最低のPERを14%下回る水準。クルーズの評価を投資家が信じていないためだが、現在の割安感と、クルーズ部門のスピンオフの可能性を考えるとGM株は買い場のように見える。スピンオフの発表があれば株価は25%上昇することが考えられるほか、スピンオフ後でもGM株は過去と比較して割安圏の状態になりそう。

 

2019年5月13日号『バロンズ拾い読み』より
6. The Trader 関税問題が予想外に再度浮上して株価下落 【米国株式市場】
テクニカル指標はまだ底堅さを示しているが、逆イールドには要注意