■不透明感増す新型コロナウイルス 

依然として市場は新型コロナウイルスの影響を受け続けている。中国の研究者が4月に収束するとの見通しを発表し、数度にわたり史上最高値を更新するなど、市場は安定を取り戻したかのように思われていた。しかし、13日に中国政府から「新型肺炎感染者数が前日より1万5000人増加」と発表されると、感染拡大への懸念が再燃し、市場は反落した。但し、感染者数急増は、実際のところ中国湖北省の感染認定基準見直し(厳格化)によるもので、発生トレンドに大きな変化はないということを留意しておくべきだろう。

日本でも13日に神奈川県の80代女性が新型コロナウイルスで亡くなった。その他、感染ルートが不明の感染者もみられるようになってきているので心配だ。感染力は我々が思うより強くはないようだ。空気感染の存在が取りざたされるようになっているが、専門家によれば新型コロナウイルスは、咳やくしゃみで空中に放出されても、1メートル飛べば死滅するとのこと。これを聞くと、少し安心する。

ここで対比したいのが米国で流行しているインフルエンザだ。新型コロナウイルスの陰であまり報道されていないが、米国における今シーズンのインフルエンザ感染者は既に2600万人、死者は2万5000人に達しているという。ちなみに新型肺炎の感染者数(2月13日時点)は治癒した人を含めて約6万人、死者は1368人だ。ケタが違う。従来もあまり話題にはならなかったが、米国はインフルエンザが流行しやすい。最近では2017~18年シーズンに感染者数4500万人、死者数6万1000人と大流行したが、今シーズンはそれを超える可能性もありそうだと言う。予防・治療法がある程度確立しているインフルエンザだから、皆それほど恐れないのか?しかし、数万人の死者数の数字や、インフルエンザウイルスは1回の咳で1万個以上も空中に放出され、10メートル内のほとんどの人を感染させる、といった話を聞くと新型コロナウイルスよりもよっぽど怖いような気がする。

■可能性を秘める新型コロナウイルス関連銘柄

日本の株式市場では、新型コロナウイルス関連銘柄が活況を呈している(仕手の餌食になっている?)ことは以前も触れた。米国株式市場に目を移すと、新型コロナウイルス拡大が必ずしも株価にポジティブな影響を与えていない。米医薬品のメリディアン・バイオサイエンス(VIVO)が新型コロナウイルスの検査薬を予想より早く開発に成功したことを発表すると、同社の株価はすぐに38%ほど上昇したが、同業他社も追随している状況が認知されるとすぐに値を戻し、直近では発表前を10%ほど下回る水準で低迷している。

新型コロナウイルスに取り組む企業の社会的価値は万人が評価するところだが、「今のところは」株価には素直に結びついていないようだ。米国のバイオ医薬品セクターを眺めると、メリディアン以外にも新型コロナウイルス関連銘柄は多い。バイオ医薬品のギリアド・サイエンシズ(GILD)、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(REGN)、モデルナ(MRNA)、バイオクリスト・ファーマシューティカルズ(BCRX)、イノビオ・ファーマシューティカルズ(INO)、ノババックス(NVAX)などだ。いずれも今後の状況次第では株価が噴き上げる可能性もあるので注目しておきたい。