■米国株式投資の掟:日本の伝統メディアに頼るな!

講演会でよく耳にする話だが、せっかくいい値段で購入したS&P500指数やナスダック100のETFを短期で利食う人が多い。長期保有ならもっと大きな波動に乗れるのに、みすみすその機会を逃している。個人の相場観に口をはさむつもりはないが、現在の米国マーケットで起こっていることをより正確に理解すれば、さらに納得のいくパフォーマンスが得られると思う。

これら短期利食いの悪癖は、日本人の投資のクセのみならず、日本の伝統メディアの報道姿勢が加担している。常々言っていることだが、米国株式投資に対し日本の伝統メディアのスタンスは、結局のところ「米国株式を買わなくてよかったね!」だ。万年、割高だと警戒感を喚起し、プラットフォーマー銘柄が上がれば少数銘柄偏重の行き過ぎを諫め、新型コロナウイルス報道では米国の投資家マインドを読み違える。テスラ株が高騰すれば業界の歴史的再編から目をそらすスタンスだ。もちろん、ある意味日本の国策メディアなので「ニッポン、頑張れ!」は正しい。しかし、戦う相手の実態を正確に伝えることもまた大事な役割のはずだ。

■米国メディアでも相場の地殻変動は伝えきれていない

今回の株高の状況を、1995年から始まったインターネット革命と重ね合わせてみた。あの時は1995年から2000年のITバブル崩壊まで5年間強烈に上がった。今回も、あの時のように長期上昇するなら、当時と同じく米国のビジネス覇権の強化を織り込んでいる相場だと思う。つまり中国の台頭に脅威感を抱いた米国が世界の枠組みの再構築と、サイバー空間での覇権争いを主導しているということだ。

但し、これらの地殻変動を先取りした米国株式高騰の要因を、私も含め上手く投資家に伝えきれていない。この点については、「バロンズ・ダイジェスト」を含めた米国のメディアでも事情は似ている。いつものようにEPS(1株当たり利益)とPER(株価収益率)の掛け算による解説に終始していて、今回の上昇の背景を大胆に分析したレポートや報道は見当たらない。そうはいっても複数の英米メディアや専門誌、書籍を横断的にリサーチすれば今回の大相場の実相がおぼろげながら見えてくると思う。そこで現在の米国株式市場をより良く理解し、納得して長期に上昇相場の恩恵を受けるための実践手法をご紹介する。

(次回に続く)