主要株価指数は週間で2%超上昇し3週続伸した。とりわけナスダック総合はこの3週間で10.1%上昇しこの間の上昇率は2011年以来最大だ(9番【米国株式市場】)。要因はいろいろあるが一言で言えば売られ過ぎの揺り戻しではないか?不安心理に脅迫された後で思うことは「全部売ってしまうことの問題点は、この世の終わりでない限りまた何か買わなければならない。」(同記事)これに米国市場のアノマリーの1つの1月効果もあるのだろうか?何はともあれ一息ついた投資家が多いと推察する。

さて、今週の『バロンズ拾い読み』は新年恒例のラウンドテーブルだ(1番【ラウンドテーブル】)。これは本誌最大の目玉企画でウォール街の達人10人が一堂に会し今年の相場を縦横無尽に語り尽くす。その内容は今週、来週の2回にわたり弊誌でもたっぷり紹介する。今週は政治、経済、金融政策、世界情勢等の話題が中心で、来週は各人の推奨銘柄を披露する。毎年顔ぶれは少しずつ変わるが常連もまた多い。例えば銘柄選択の達人マリオ・ガベリやゴールドマン・サックスの著名ストラテジスト、アビー・コーエン、そして債券の新帝王で今回の下落相場を言い当てたと声高に叫んで一段と知名度を高めたジェフリー・ガンドラックといったウォール街の“顔”がそうだ。

各人まちまちの見方だが、昨年の急落もあり、依然として慎重な投資姿勢が優勢だ。中でも悲観的な見方をリードするのがガンドラックで、彼に同調するのがエポック・インベストメントのプリースト。一方で万年強気のコーエンや “レジェンド”ガベリの楽観論が救いに思える。話題の中心は当たり前だけど米中貿易、金融政策、財政赤字そしてそれらが株式市場にもたらす影響についてだ。一方で企業業績にフェイクニュースならぬ「フェイク利益」の再来を注意喚起しているのがアリエル・インベストメンツの新顔バンサリ氏だ。要はバリュエーションでまだまだ高いと警鐘を鳴らす。

参加者の所属はコーエンがセルサイドで彼女以外はヘッジファンド等のバイサイド。つまり相場や銘柄を当てないと生き残れない人たちだ。その意味でも誌上の意見は上質な知見を本音で語っていると信じたい。ではそんな彼らの昨年の個別銘柄の成績表はどうか? T.ロウのCIOエレンボーゲンの健闘が光るが他は惨憺たる有様だ。詳しくは『バロンズ拾い読み』でじっくり検証してほしいが、それくらい昨年終盤の相場急落の予想は想定外ということか。もっともその緊迫した状況で実際にはどのように立ち回ったのかで彼らの真価が問われているのだろう。

さて今週の『バロンズ拾い読み』の注目記事を列挙しておく。まず火曜日の東京で必ず話題になると思われるのは6番の【アップル】。なんと「次の勝負手は任天堂の買収」だと。これまでも何度か市場で話題にはなったらしいが、今のアップルなら真剣に検討するのだろうか?火曜の朝はまずNYのADR(NTDOY) をチェックしないと。

また2番の【ブリストル】も面白い。先日製薬大手のブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)はセルジーン(CLEG)の買収で合意したが、ブリストルの株価は8%ほど下落した。その割安になったブリストルが今度は買われる側になるかもしれない。そして買い手の候補は?これも本誌をご覧いただきたい。他にも読んでためになる記事が満載。

さて3週続伸の相場だが、直近これ以上の長期上昇は昨年7月2日~8月3日までの5週続伸だ。8月3日のS&P500は2833で先週金曜の2596より8.3%上。ゆっくりでもいいから“懸念の壁”を這い上がってほしいね、ありがとう米国株式。

『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信