先週の主要株価指数は火曜以降堅調に推移し4週続伸した。S&P500指数の年初3週間の上昇率は6.5%でブラックマンデーのあった1987年(+11.1%)以来の記録だ。マーケットは転げた坂道をV字軌道でよじ登り12月4日の辺りの水準まで辿り着いたことになる。それと同時に50日移動平均もちょうど超えたところ。前回は12月3日時点ではこの50日移動平均にタッチした後12月24日まで突き落とされた。9番の【米国株式市場】には「今度はこれが下値の支持線に変わることを願う」とあるが全くその通り。

本誌の目玉企画ラウンドテーブル後半編は銘柄特集で達人10人が48銘柄を持ち寄り推奨理由を披露した(1番【ラウンドテーブル】)。私は長年この企画を追いかけているが、参加メンバーにはかつては伝説の投資家マーク・ファーバーや元債券帝王ビル・グロースもいた。錚々たる顔ぶれだが、“達人”でも外し続けるとやはり出にくくなるようだ。

銘柄の時価総額も業種もまちまちだ。ただし成長株よりも資源、資本財の景気循環株やバリュー株が多いように見受けられる。裏返せば超大型のハイテクやヘルスケアそして定番の大型優良株は比較的少ない。そのためか、結果的にこの数年は“ご託宣”に有難みがない達人もいることは伝えておく。そして今年も従来同様の傾向が見て取れる。我々にも馴染みの銘柄はアルファベット(GOOGL)、ディズニ-(DIS)、ロッキードマーティン(LMT)、ダウデュポン(DWDP)あたりか。日本株ではリクルートホールディングス(6098、コーエン)、武田薬品工業(4502、プリースト)の2銘柄が推奨リストに入っていた。ちなみに半年後に同誌の同様の企画でこれらの成績を検証する。

さてその他の注目記事を列挙しておく。ニューモント・マイニング(NEM)がカナダの競合ゴールドコープの買収を発表したが、2番の【金鉱株】では長年パフォーマンスが悪いこれらの銘柄へのポジティブ材料を検討している。また3番の【ライフサイエンス】では科学研究用の機器や消耗品を製造する企業5社を紹介している。銘柄はゲノムシーケンス技術のリーダーであるイルミナ(ILMN)、多様な研究用機器を販売するサーモ・フィッシャー・サイエンティフィック(TMO)などだ。4番【不動産投資信託】ではオフィスREIT、8番【ハイテク】ではゲームソフトのエレクトロニック・アーツ(EA)とアクティビジョン・ブリザード(ATVI)が分析対象だ。

ちなみに先週『バロンズ拾い読み』で「アップルは任天堂を買収すべし」の記事が出た後、任天堂(7974)のADR(NTDOY)はNY市場で跳ねた。日本では休場明け火曜日の朝方ネット上で株価急騰を巡って憶測が飛び交っていた。日頃から『バロンズ拾い読み』はチェックしておいたほうがいい。ありがとう米国株式。

『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信