相場は週初日の火曜日に急落、ただしその後は踏ん張り金曜に跳ねて終わった。結果的に週間ではその前週末(1/28)と同じ水準にまで戻したことになる。4週間続伸していたので一旦は戻り相場を冷静に振り返りたいところだったはず。1月も今週で終わるが、年初からのこの好成績は1987年以来ということらしい(9番【米国株式市場】)。

今週のカバーは【気候変動】。ESG(環境・社会・企業統治)投資のテーマの一つで、気候変動への企業の対応を調査・分析している。一例は2017年のハリケーン「マリア」への製薬会社メルク(MRK)の対応だ。そして同記事では主要企業が気候変動、天変地異に対してどういうリスクに晒されているのかを数字で可視化している。分析対象はクルーズ船運航企業のノルウェージャン・クルーズ・ライン・ホールディングス(NCLH)、電力会社のコンソリデーテッド・エジソン(ED)、さらには本社所在地が海面上昇のリスクを抱える資産運用大手のT.ロウ・プライス(TROW)も俎上に載せられていた。それらの企業に対応策を尋ねるも各社の反応はもう一つピリッとしない。

2番の【コラム】では直近、民主党議員が経済政策の中身に富裕層への増税を掲げていることを受け、その影響を分析しているのが面白い。ただし彼らが提唱するレベルの増税の実現可能性は低い。出所はゴールドマン・サックスのレポートなのだが、要は米国人富裕層の富は株式市場と密接に連動している。その集中度合いはこの数十年でさらに高まった。したがって、仮に増税が実施されれば、納税資金対策の影響を真っ先に受けるのが流動性に富む株式だと。

4番の【推奨銘柄】は過去1年でバロンズが推奨した銘柄の成績表だ。買いも売りもあるが、昨年の相場を反映してか買い推奨はベンチマークを�下回ったが売り推奨は好成績を収めた銘柄が多い。ちなみに買い推奨銘柄の成績トップは石油精製のアンデバーで、同業大手のマラソン・ペトロリアム(MCP)に買収合意したことで高騰した。また売り推奨ではゼネラル・エレクトリック(GE)の売りたたきが奏功した。

7番の【インタビュー】ではカジノ関連銘柄に投資するファンドを紹介することで、その投資対象であるカジノ関連銘柄を分析している。対象企業はペン・ナショナル・ゲーミング(PENN)、ゴールデン・エンターテイメント(GDEN)、そしてセンチュリー・カジノス(CNTY)だ。

第4四半期の業績発表がいよいよ本格化する。先週末でS&P500構成企業の22%が終了し、今週は112社(22%)が発表予定だ。1株当たり利益で予想を上回ってもトップライン、つまり収入で事前予想を上回る企業はこれまでよりも少ない。この間の株価下落でここから再度売りを誘う決算はあまり多くないがそれでも投資家の注目度は高い。アップルは火曜日、フェイスブックとマイクロソフトは水曜日と注目決算が目白押し。さらにFOMC後のパウエル議長のコメントにも市場は耳を傾ける。

この相場、派手に下がったがその後の回復スピードは予想以上だ。AI投資に翻弄され右往左往するのはやはり間違っているな。我慢のし甲斐があるね、ありがとう米国株式。

『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信