2日(火)引け後のアップル・ショックは相場の悲観ムードに拍車をかけた。しかし金曜の雇用統計とパウエル議長の発言で株価は一転急騰、週間でプラスを確保した。結果的には史上最悪のクリスマスイブを底に2週連続上昇した

9月からの下落相場は投資家に恐怖心を植え付けた。振り返るとS&P500は9月20日(木)の2930から10月29日(月)には2641まで5週間余りで9.8%下落。その後ハロウィンラリーで8%ほど下落を取り戻したが再度下落に見舞われた。さらに11月23日(金)の2632から12月3日(月)まで約6%上昇したが、12月3日(月)の2790を最後に見ての通りの全面安だ。直近2回の揺り戻しを経てとどめを刺された格好で、ここまで市場心理を冷やされると先月24日(月)の2351から先週金曜まで7.6%戻しても疑心暗鬼が頭から離れない。

先週はこの欄で今回の下落を1987年10月のブラックマンデーになぞらえたがファンダメの要因では2011年との類似性も指摘できないか。当時も今回同様、中米の両方で景気の先行きに懸念が持たれていた。相場は4月をピークに軟化し8月の急落が響いて10月までS&P500は約20%下げた。この下落が影響したのか9月想定の利上げが12月まで先延ばしされた。対して、今回は9月から12月までの3か月間でほぼ同率の19.8%下げた。パウエル議長が世界的な株価下落を注視していると発言したことも状況は当時と似てはいないか。9番【米国株式市場】でもこれを話題にしている。

ところで、今回の日中の値動きを見ていると、あれほど後場にかけて下方に圧力がかかっていた相場が直近は様相が異なる。午後に激しく振幅するものの12月26日(水)以降は耐性が出来ているように感じる。3日(木)急落後の東京時間でも米国株価指数先物に下げ渋りが観察された。市場参加者には金曜発表の株価材料への期待が頭の片隅にあったのかもしれない。このあたりは【米国株式市場】の「■景気後退がなければ上値は望める」に詳しい。

さて今週の『バロンズ拾い読み』のカバーは【インカム投資】だ。MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)、ジャンク債、優先株式、もちろん高利回り株式も含め11の投資対象を紹介している。また今週は四半期に一度の投信特集で、ESG(環境、社会、ガバナンス)関連の投信ランキング(3番【ESG投資】)、企業経営の取り組み(5番【経営】)、悪徳企業に空売りを仕掛けるヘッジファンド(8番【インタビュー】)等を紹介した。
また個別銘柄では2番【アップル】でアップルの投資妙味を力説している。

寒さはこれからが本番だが、相場のブリザードは最悪期を過ぎたか?今週はそれを見極めることになりそうだ。

『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信