先週は水、木曜に売られたがそれまでの貯金で何とか持ちこたえた。主要指数は僅かだが週間ではプラスなのでS&P500を除けば7週続伸だ。この相場の粘り強さについて調査会社ビスポークは「先週金曜日で7営業日連続、最後の1時間で上昇。取引開始直後は軟調で終了にかけて強含む相場が望ましい。そして取引後半に売買する投資家の資金をスマート・マネーと呼び、これを教科書的な強気相場の典型とみている」ようだ。(9番【米国株式市場】)。実際に昨年クリスマスイブまでの日中の動きとは真逆で、朝の相場チェックが少し気楽になった。

さて今週のカバーは【サステナビリティ】。上場企業のサステナビリティ(持続可能性)ランキングだ。「米国の時価総額上位1000社の上場企業に対し200以上の指標と28の項目に基づいて得点算出、データを株主、従業員、顧客、地球、コミュニティーの五つの主要カテゴリーに分類」する手法だ。ランキング上位銘柄は株価パフォーマンスも相対的に良好だと。

でも本当?選定企業の株価パフォーマンスとベンチマークとの差はあってもごく僅かだ。それに品行方正で真面目な模範社員が獲物も良く獲る?そんなうまい話があるの?顔ぶれを見ると時価総額は数兆円規模で社歴も長い製造業が多い。「衣食足りて礼節を知る」それとも「心技体」そろった良き企業市民にして初めてお天道様は猟場を開放してくれる?

一見すると選別企業と米業種別の時価総額ウエートの相関は薄いようだ。いずれにしても投資銘柄の選定にこの基準を重視することは無い、私の場合は!なぜ?信じてないもん、サステナビリティなんて。それに評価機関の見えざる意図が少し気持ち悪い(失礼!)。

それより現実的なのが5番の【富裕層】。内容は民主党議員が「自社株買いへの制限を求める法案提出を予定」とか「富裕層への増税案について」だ。法案は心情的に理解できても、事実を数字で詰めて理屈で考えると当初の効果は期待できないと分かる。それでもゴールドマン・サックスの社員の平均給与が3700万円と言われると民主党支持者ならずとも心穏やかではあるまい。

私は外資系証券に短期間ながら在籍しそのメリット・デメリットをある程度実感した。日系証券時代と同じ仕事しているのになんでこうなるのって感じだ。今思い返しても、多くの日本人の価値観や暗黙知満載の共同体意識、そしてそれを背後で規定する税制の下では、あの処遇体系の運用は難しいと感じる。ただしあの時のあの待遇があるから今こうして好き放題できる(あれっ?)。とにかく短期の目標に向かって速く走るインセンティブが強く作用し将来の選択肢を増やす可能性を広げてくれるのが良い。もちろん成果を勝ち取るのは自分次第だし、ルール違反は懲罰も大きいので自己の規律にも自然と厳しくなる。日系証券の戦友意識もいいけど外資の自己責任型も貴重な経験だ。両方体験出来たのがいい。

さて、企業決算も3分の2が出終わった。そして相場は8週続伸なるか。少しは休んだ方がいい?それとも行ける間はどこまでも上に?どっちに転んでもいい、ただしどうぞお手柔らかに。ありがとうアメリカ株式。

『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信