主要指数(除くS&P500)は昨年12月24日を底に9週続伸した。これはダウでは1995年5月以来のことだ。9月からの調整はまだしも12月の叩きつけるような急落は何だったんだろう、合点がいかないがこれも相場だ。

編集作業中にバークシャー・ハサウェイ恒例の株主への手紙が出た。54年間の投資成果を改めて確認すると直近10年、20年はS&P500と比べてもそれほどでもない。しかし当初の30年超が凄まじい。1976年(129%)と1979年(103%)には同社株価は倍以上になった。他にも高パフォーマンスの年が多くある。一方で1974年(マイナス49%)のオイルショックや1990年(マイナス23%)の景気後退、そして2008年(マイナス32%)の金融危機では派手にやられている。https://www.berkshirehathaway.com/letters/2018ltr.pdf

この54年間で株価は年率複利20.5%で2万5千倍、一方でS&P500は同9.7%で150倍。年率11%弱の差だが、本当かなと思うぐらいの大差がつく。これが複利の驚くべき特徴だ。ただしバフェット本人は「妻にはS&P500のETF」と。要は「私だから2万5千倍が出来た、あんたにゃできまい。150倍で十分でしょ」ということか。「ハイハイ、それで結構です」っと。

パフォーマンスを追いかけると、儲けはデカく損は小さくが如実だ。そこが我々凡人との違いで、こっちは分かっていてもやられる時には大きくへこむ。したがって自分の実力の無さを自覚し、感情が邪魔しない取引手法を心掛けているがそれでも満足な数字は残せない。頭で理解していながら実践が伴わない。皆さんも実際に投資すると良く分かるはず。相場をやると謙虚になれる、ここが一つ良いところだ。

さて今週のカバー(1番)は【ハイテク覇権】でこれは必読記事だ。米中のハイテク戦争で最も打撃を受ける業界は半導体企業でその筆頭がマイクロン・テクノロジー(MU)。有利に働く銘柄はシスコシステムズ(CSCO)やノキア(NOK)など、中立的な影響は台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)といった具合。注目銘柄の売上に占める中国の比率がテーブルになっているので参考になる。

3番、4番のネット証券の特集記事も興味深く読んだ。通常日本の投資家に米国のネット証券は無関係だが将来の日本のネット証券の姿がすでに垣間見える。興味のある方はこの記事を読んでから紹介動画をググってみるのがいい。恵まれた投資環境がイメージできると思う。日本のネット証券は各種機能がてんこ盛りで操作が直感的ではないように感じる。もっとも私はたまに取引するだけなので習熟するほど画面に向き合わないからだろう。

8番の【インカム投資】も示唆に富む。安定配当志向の投資家がETFに投資する際のヒントだ。この記事のメッセージとは少し意を異にするが私のアドバイスは「配当狙いのETFに多くを期待するな」です。というのも、①あなたが興味を持ち始めたころにはかなり人気化している、②その後の循環的な値動きに我慢するほど長期の投資スタンスではない人がほとんどだから、です。これもやってみるとよく分かります。とにかく投資は実践してみないと!そうすれば『バロンズ拾い読み』の有難みが一層増します。

今週はFRBパウエル議長の議会証言、米朝会談、米中貿易協議の交渉期限など材料が目白押し。相場自体が目先の材料に一喜一憂せず冷静に反応することを願う。ありがとうアメリカ株式。

 

『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信